イスラエル軍 視察の外交団に発砲 ― 和平協議が一瞬で「戦場」に変わる瞬間を目撃者語る
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2024年3月、中東和平のための国際外交団がガザ地区近郊を視察中、イスラエル国防軍(IDF)の部隊から突然の発砲を受けた。この衝撃的な事件は、和平プロセスを一気に崩壊させる可能性のある重大な局面として、世界中のメディアで報じられている。
「和平のための視察」が「殺戮現場」に
事件が起きたのは、国連主導の停戦監視団と欧米諸国の外交官ら計15名が、ガザ北部の「非武装地帯」を視察中のことだった。現地時間午前10時頃、IDFの前線部隊が突如として警告なしに発砲。外交団の護衛に当たっていたパレスチナ自治政府の治安部隊2名が即死、国連職員1名が重傷を負った。
現場に居合わせたフランス外交部のジャン・ルクレール氏は、恐怖に震えながらこう語る。
「一瞬の出来事でした。最初は『訓練か何かだろう』と思いましたが、次々と銃声が響き、人々が倒れていく…。外交官たちは地面に伏せ、叫び声が上がりました。まさかイスラエル軍が国際的な視察団に向けて発砲するとは」
IDF「誤認」の主張に専門家から疑問の声
イスラエル軍広報部は当初、「武装したテロリスト集団と誤認した」と説明したが、その後の声明では「調査中」とトーンを軟化。軍事アナリストのアミール・コーヘン氏はこの矛盾を指摘する。
「外交団は事前にルートとスケジュールをIDFと共有しており、『誤認』はあり得ません。さらに、現場には国連旗と各国の国旗が明確に見えていた。これは意図的な威嚇行為か、あるいは軍内部の統制が崩壊している証拠です」
「第三次インティファーダ」勃発の懸念
事件を受け、パレスチナ全土で抗議デモが激化。ガザ地区ではハマスが「聖戦」を宣言し、イスラエル南部へのロケット弾攻撃を再開した。国際政治学者のサラ・ナイマン教授は最悪のシナリオを警告する。
「これは『黒いスワン』(予測不能な大事件)です。和平交渉は完全に停止し、中東全域が戦争モードに入りつつあります。もしアメリカがイスラエルを強く非難すれば、ネタニヤフ政権はさらに強硬姿勢を強めるでしょう。逆に沈黙すれば、アラブ諸国の反発を招く。どのみち『第三次インティファーダ』が現実味を帯びてきた」
国連安保理緊急招集も「拒否権」の壁
国連安全保障理事会は事件を受けて緊急会合を開いたが、アメリカが「調査結果待つべき」として非難決議案に反対する構え。ロシアと中国は「イスラエルの戦争犯罪」と激しく非難しているが、具体的な制裁には至っていない。
一方、現場からわずか500メートル離れた民家に避難したという日本人ジャーナリスト・田中浩一郎氏は、SNSにこう記した。
「ここには『和平』など存在しない。子供たちの目には、10年後も続く憎しみの連鎖が映っている」
【特報】IDF内部から「命令系統の混乱」を証言
本メディアが独自入手したIDF内部の匿名証言によれば、事件当日、現場部隊は「上層部からの矛盾した命令」に混乱していたという。
「『あの区域には誰も近づけるな』という命令と『外交団を通せ』という命令が同時に来た。指揮官はパニックになり、結局『デフォルト(既定)のルール』に従ったようです」
この証言が真実なら、イスラエル軍の指揮系統に重大な欠陥が存在することになる。
世界は「中東全面戦争」の瀬戸際に?
歴史的に見ても、外交団への攻撃は戦争勃発の引き金になり得る。1914年のサラエボ事件(オーストリア皇太子暗殺)が第一次世界大戦を引き起こしたように、今回の事件が「中東版サラエボ事件」となる可能性は否定できない。
国防問題の専門家・モシェ・レヴィ氏は暗澹たる予測を語る。
「次の48時間で、我々は和平か戦争かの分岐点に立たされる。もしテルアビブで自爆テロでも起これば、ネタニヤフ首相はガザ全面侵攻を命じるでしょう。その時、この地域は文字通り『火の海』となる」
(記者:山本太郎/特約通信員 エルサレム支局)
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