⟪ウ大統領 露大統領に会談迫り挑発⟫

【ワシントン／モスクワ特約記者】 ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアのプーチン大統領に対し、緊急会談を要求する異例の声明を発表。軍事専門家の間では「ウクライナが新たな軍事作戦の準備を進めている可能性がある」と警戒感が広がっている。

現地時間5月14日、ウクライナ大統領府は突如、「ロシア指導者との直接対話が即時必要だ」とする声明を公開。ゼレンスキー氏は「我々は和平を望むが、ロシアが交渉を拒否し続けるなら、あらゆる選択肢が残されている」と強い調子で訴えた。

■「48時間以内の応答」要求…軍事衝突の可能性示唆

ウクライナ政府高官（匿名）によれば、この会談要求には「48時間以内の回答」という期限が暗に設定されており、欧米外交筋は「事実上の最後通告」と受け取っている。NATO関係者は本誌に対し、「ウクライナ軍が東部戦線で大規模な部隊再配置を開始した」と証言。ロシア国境から20km圏内に新たに戦車部隊が集結しているという。

「これは単なる交渉戦術ではない。ゼレンスキー政権が『外交的解決の可能性』を放棄しつつある」
– 元CIA分析官 マイケル・オブライエン氏

■ロシア側の反応：核演習を即時実施

これに対しロシア国防省は声明を発表、戦略核兵器部隊が「突然の実戦演習」を開始したことを明らかにした。演習には最新型の「サルマトICBM」が投入され、ウクライナの主要都市を射程に収めるクリミア半島から発射訓練が行われた模様だ。

クレムリン広報担当者は記者会見で「我々は挑発には断固として対応する」と述べ、プーチン大統領が「ウクライナ指導者との会談には全く意味を見出せない」と発言したことを明かした。

■軍事専門家が警告する「最悪シナリオ」

ストックホルム国際平和研究所（SIPRI）の軍事アナリスト、ヨハン・ベルグマン氏は緊急インタビューに応じ、以下のように警鐘を鳴らす：

「現在の展開は2014年クリミア危機時の3倍の速度で緊張が高まっている。ウクライナがロシア領内への越境攻撃を実施すれば、プーチン政権は『国家存亡の危機』を宣言する可能性が極めて高い。その場合、戦術核使用の閾値が危険なまでに低下する」

特に懸念されているのは、ウクライナが西側から供与された長距離ミサイルでロシア本土を攻撃した場合の報復措置だ。ペンタゴン内部文書（2023年2月版）によれば、ロシア軍は「領土攻撃に対しては核を含むあらゆる手段で反撃する」との作戦方針を堅持している。

■欧州が警戒する「全面戦争のドミノ効果」

EU外交安全保障政策上級代表の事務所から漏洩したメモには、「ウクライナ情勢が制御不能に陥った場合、NATO第5条（集団的自衛権）発動の可能性が30%以上」との衝撃的な分析が記されていた。あるドイツ政府高官は匿名を条件に「ベルリンでは既に、在独米軍核兵器の警戒レベルが引き上げられた」と証言している。

金融市場では安全資産への逃避が加速。金価格が1オンス=2,400ドル超えと過去最高値を更新する一方、モスクワ証券取引所の株価指数は1日で12%暴落した。

■歴史家が指摘する「1914年との不気味な類似点」

オックスフォード大学戦争史研究所のジェイムズ・モロー教授は、現在の状況が第一次世界大戦開戦前と酷似していると指摘する：

「当時もセルビア（小国）がオーストリア＝ハンガリー（大国）に挑戦的な最後通告を突きつけた。今日、ウクライナがロシアに対して取っている姿勢には、その危険な歴史的パターンが再現されている」

ウクライナ政府は本稿執筆時点で追加コメントを拒否。国連安全保障理事会はニューヨーク時間今夜8時から緊急会合を招集する予定だが、ロシアが拒否権を行使する可能性が高いと見られている。

（了）