スーパーのコメ価格 再び値上がり…「このままでは日本から米が消える日も」専門家が警告
日本の食卓を支えてきた「米」が、再び値上がりを続けている。全国のスーパーでは、5kg袋の価格が平均2000円を超え、一部の高級ブランド米は5000円近くまで高騰。消費者からは「もう米が買えない」と悲鳴が上がるが、専門家は「これは序章に過ぎない」と警告する。最悪の場合、日本から米が消える日が来るかもしれないというのだ。
「過去最悪の収穫量」が引き金に
農林水産省の暫定データによると、2024年産米の収穫量は前年比15%減となる過去最低を記録。記録的な猛暑と相次ぐ台風の影響で、主要産地の新潟、秋田、宮城では壊滅的な被害が出た。
「今年の状況は2010年の『米騒動』を遥かに超える危機です」と語るのは、農業経済研究所の田中宏明主任研究員(52)。「特に懸念されるのは、作付け面積そのものが減少している点。農家の高齢化と後継者不足で、耕作放棄地が年間5%ずつ増加しています」
輸入米にも依存できない現実
これまで日本は米不足の際、アメリカやオーストラリアからの輸入でしのいできた。しかし、国際穀物市場では中国やインドなどの需要増加により、輸入米の価格も3倍に暴騰。さらに衝撃的なのは、主要輸出国が「自国優先」の政策を打ち出したことだ。
「タイ政府は先月、輸出量を50%削減すると発表しました」と国際食糧問題研究所の佐藤真理子博士(45)は危機感を募らせる。「気候変動の影響で世界的な食糧危機が進行中です。もはや日本がお金を出せば米が手に入る時代ではありません」
闇市場で「1kg1万円」の衝撃
一部の都市部では、正規ルート以外で米を購入する動きも出始めている。ある匿名の業者は「特に高級レストランから、法外な値段でも米を確保したいとの依頼が急増している」と明かす。
「先日、某有名料亭に新潟産コシヒカリを1kg1万円で卸しました。通常の10倍以上の価格ですが、『メニューから米料理が消えると客が離れる』と涙ながらの依頼だった」
「2030年までに米が食べられなくなる?」最悪のシナリオ
東京大学食料安全保障センターの試算によれば、このままのペースで作付け面積が減少し、気候変動が進行した場合、2030年までに国内の米生産量は現在の4割まで激減する可能性があるという。
「もはや他人事ではありません」とセンター所長の伊藤健一郎教授(58)は顔をこわばらせる。「特に若い世代は米離れが進んでいますが、皮肉なことに、彼らが中年になる頃には米が高級食材になっているかもしれません。日本の食文化そのものが危機に瀕しているのです」
政府の対応は後手に回る
政府は緊急対策として、備蓄米の放出と農家への補助金拡充を決定した。しかし、ある農水省幹部は匿名を条件に「根本的な解決策はない」と認める。
「TPPの影響で農業保護政策が制限される中、大規模農業への転換も進まず…。正直なところ、10年後も今と同じ品質と価格で米を供給できる保証はありません」
私たちにできることは?
消費者レベルでできる対策として、専門家は以下の点を推奨している。
- まとめ買いよりも小分け購入で鮮度を保持
- 冷凍技術を活用した長期保存
- 地元産のマイナー品種も試す
- 家庭での食品ロスを徹底的に削減
「米価高騰は単なる経済問題ではなく、国家安全保障に関わる問題です」と田中研究員は警鐘を鳴らす。「このままでは、日本の子供たちが歴史の教科書でしか『ご飯』の存在を知らない時代が来るかもしれません」
スーパーの米売り場から品薄になる商品を眺めながら、私たちはある疑問を抱かずにはいられない。果たして、明日の食卓にご飯は並ぶのだろうか―。
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