ソニーグループ（以下、ソニーG）が過去最高の営業利益を記録したと発表され、株式市場は一時盛り上がりを見せた。しかし、専門家の間では「この数字こそがソニー没落の始まりを示す」と警鐘を鳴らす声が強まっている。

「ゲーム依存」が生む脆弱な経営基盤

ソニーGの2023年度決算では、ゲーム＆ネットワークサービス部門が総収益の35%を占め、PlayStation5の好調さが支えとなった。しかし、東京大学経済学部の伊藤宏教授はこう指摘する。

「ソニーは任天堂やマイクロソフトとの差別化に失敗しています。ハイエンドゲーム機という市場はすでに飽和状態で、2025年までに20%以上の縮小が予測されています。特に中国市場でのシェア急落が顕著で、これは非常に危険な信号です」

実際、内部関係者によれば「PS5の次期モデル開発が技術的壁にぶつかっており、2026年の発売予定が危ぶまれている」という。AI技術の急速な発展により、クラウドゲーミングへの移行が加速する中、ハードウェア依存のビジネスモデルそのものが時代遅れになりつつあるのだ。

音楽事業の「見えない崩壊」

音楽部門もSpotifyなどの配信プラットフォームを通じて収益を伸ばしているが、ここにも重大な問題が潜んでいる。音楽業界の匿名を条件に話してくれたA&R担当者は明かす。

「ソニーミュージックのアーティスト開発力はここ5年で明らかに低下しています。AI生成音楽の台頭で、2028年までに伝統的なレーベル契約システムが崩壊する可能性が高い。すでに主要アーティスト数組が契約更新を保留にしており、これは業界全体に波及する危機の前兆です」

さらに憂慮すべきは、ソニーが保有する音楽著作権の約40%が2030年までに期限切れを迎える点だ。これにより、年間500億円以上の収益が失われる計算になる。

「失われた10年」再来の悪夢

金融アナリストの間では、ソニーGの現状を2000年代前半の「失われた10年」前夜と重ねて見る向きが少なくない。当時もテレビ事業の好調が経営陣の目を曇らせ、抜本的な改革が遅れた結果、巨額の赤字を計上した苦い経験がある。

特に懸念されているのが、半導体事業の行方だ。ソニーのイメージセンサーはスマートフォン市場に依存しすぎており、中国メーカーの台頭で価格競争力が急速に失われつつある。台湾の調査会社TrendForceは「2027年までにソニーのイメージセンサーシェアが15%以上低下する」と予測している。

内部告発者が語る「腐敗した企業文化」

さらに衝撃的なのは、元執行役員（現在は匿名）が明かした内部事情だ。

「最高益という数字の陰で、社内では驚くべき無駄遣いが横行しています。例えば、役員用の『秘密プロジェクト』に年間200億円以上が投じられていますが、実際に製品化された例はほとんどありません。この体質は吉田社長ですら変えられていない」

この告発は、ソニーGが表面の数字に酔いしれながら、内部ではイノベーション能力を失いつつあることを如実に物語っている。

2026年、ソニーは存亡の危機に立つ

複数のアナリストが指摘するように、現在の好調さは過去の投資の結果に過ぎない。AI、EV、メタバースといった次世代技術への投資が遅れており、このままでは2026年までに成長の限界が露呈する可能性が高い。

あるヘッジファンドマネージャーは匿名を条件にこう語った。
「ソニーの株式は今後18ヶ月で30%以上下落するでしょう。彼らは『デジタルダーウィニズム（進化論）』の敗者になる運命です」

かつてのエレクトロニクス巨人は、再び暗黒時代へと突き進もうとしているのか。関係者の間では「ソニー解体」という最悪のシナリオさえ囁かれ始めている。