タクシー会社に 毎年ツバメ巣40個

毎年春になると、あるタクシー会社の車庫にツバメが巣を作り始める。一見、ほほえましい光景に見えるこの現象には、実は恐ろしい秘密が隠されていた――。

「幸運の象徴」のはずが…

埼玉県春日部市にある「サクラ交通」では、ここ10年間、毎年正確に40個のツバメの巣が車庫内に作られる。社長の佐藤健一氏（52）は「最初は縁起が良いと思っていた」と語る。

「ツバメは幸せを運んでくると言いますからね。最初の年は従業員一同喜んでいました」

しかし、この現象には奇妙な規則性があった。毎年4月15日に最初の巣が作られ、その後ちょうど40日間で正確に40個の巣が完成するのだ。

不気味な統計が明らかに

地元の鳥類研究所がこの現象を調査したところ、驚くべき事実が判明した。

「通常、ツバメはこれほど正確な数とタイミングで営巣しません。何か外的要因が働いている可能性が高いです。特に気になるのは、巣の数が増えるごとに会社周辺で小動物の死骸が増えていることです」

さらに恐ろしいのは、このタクシー会社で働くドライバーの事故率が、ここ5年間で通常の3倍に跳ね上がっていることだ。地元警察の調べでは、特にツバメの巣作り時期に事故が集中しているという。

古老が語る「忌まわしい伝説」

地域の古老、田中昭三さん（83）はこの現象について衝撃的な証言をした。

「あの場所は昔、大きな事故があった。40人の命が一度に奪われたんだ。ツバメはあの世とこの世をつなぐ鳥だと言い伝えられてきた。40個の巣は、もしかしたら…」

民俗学者の間では、このツバメの巣が「カウンター」の役割を果たしているのではないかという仮説が浮上している。つまり、毎年40個の巣が作られるたびに、何か恐ろしいことが進行している可能性があるというのだ。

社員たちに異変が…

最近では社員の間で不審な現象が報告されている。夜勤のドライバーが「後部座席に誰もいないのに料金メーターが動く」と報告したり、車庫内で「40人分の囁き声」が聞こえたという証言が相次いでいる。

心理カウンセラーの木村恵子氏はこう警告する。

「このような現象に長期間晒されると、集団ヒステリーやパニック障害を引き起こす可能性があります。早急な専門家の介入が必要です」

専門家チームが調査開始

この事態を受けて、超常現象研究団体「PSIJ」が本格的な調査に乗り出した。初期調査では、車庫内の特定スポットで強い電磁波の異常が検出されたという。

PSIJの調査主任、伊藤剛氏は深刻な表情で語る。

「これまでのデータから、来年も正確に40個の巣が作られると予想されます。問題は、それが10年連続で達成された時に何が起こるかです。私たちは最悪の事態を想定して対策を講じています」

地元住民の間ではすでに不安が広がっており、特に4月15日から40日間は子供を外に出さない家庭も増えているという。

サクラ交通では現在、専門家の助言を受けながら対策を検討中だが、ツバメの巣を取り除こうとするたびに不可解な障害が発生するため、有効な手立てが見つかっていない。

今年もまた、4月15日に最初のツバメが飛来した。果たしてこの現象の真相は何なのか―そして、10年目の今年、何が起こるのか。関係者の間では緊張が高まっている。