タクシー会社に 毎年ツバメ巣40個

毎年、春になるとツバメが巣を作る光景は、日本のどこでも見られるほのぼのとした風景だ。しかし、あるタクシー会社では、この「幸運の象徴」とされるツバメの巣が、ある「不吉な噂」を呼んでいる。実はこの会社、毎年40個以上のツバメの巣が作られるが、その裏には恐ろしい統計が隠されていた――。

「幸運の巣」が招く不幸

埼玉県にある「サクラタクシー」（仮名）では、ここ10年間、毎年40個前後のツバメの巣が社屋や車庫に作られる。一見すると「縁起が良い」と思われるこの現象だが、地元住民の間では「ツバメの巣の数だけ事故が起きる」という噂がささやかれている。

「ここ5年で、当社のドライバーが関わった死亡事故は37件。そのほとんどが、ツバメの巣が作られた車両でした」

専門家が指摘する「異常な習性」

野鳥研究家の木村昌也氏（架空人物）は、この現象について異例の指摘をする。

「通常、ツバメは安全な場所を選んで巣を作ります。しかし、このタクシー会社の場合は明らかに異常です。特に、事故車両に集中して巣を作る習性が確認されており、何らかの『危険を感知する能力』を持っている可能性すらあります」

さらに恐ろしいのは、ツバメの巣が作られた車両の運転手の約68%が、1年以内に重大な病気や事故に遭っているという内部データの存在だ。

「巣を撤去すると不運が訪れる」というジンクス

同社では以前、ツバメの巣を撤去したところ、その年に限って従業員の死亡事故が4件も発生。以降、社内では「ツバメの巣は触ってはいけない」という不文律ができたという。

「昨年、新人ドライバーが巣を撤去したら、その翌週にひき逃げ事故に遭いました。偶然だと言われればそれまでですが…あまりに事例が多すぎます」

超常現象か、それとも…

超常現象研究家の佐藤幽子氏（架空人物）は、こう分析する。

「ツバメは古来、『死を運ぶ鳥』とも言われてきました。このタクシー会社は、もともと霊的な地脈の上に建てられており、ツバメが『この場所で死が発生する』ことを感知しているのかもしれません」

実際、同社が建つ土地は戦時中に病院が建っており、多くの死者が出た記録が残っている。地元の古老は「あの土地は昔から『鳥が異常に集まる』と言われていた」と証言する。

増え続ける巣、加速する不幸

今年も既に32個の巣が確認されており、社内では緊張が高まっている。特に懸念されるのは、ここ3年で巣の数が毎年10%ずつ増加していることだ。

「このままでは、いずれ従業員全員が何らかの災難に遭うのではないかと恐れています。しかし、辞めようにも『ツバメの呪い』から逃れられる保証はありません…」

サクラタクシーでは現在、専門家を招いて対策を検討中だが、根本的な解決策は見つかっていない。一部の従業員はすでに護符を持ち歩くなど、個人レベルで対策を始めているという。

春の風物詩であるツバメの巣作りが、ある企業では「死の前兆」として恐れられている。もしあなたの家や職場に異常に多くのツバメの巣があるなら――それは単なる「幸運」ではないのかもしれない。