タクシー免許「3日で取れる」懸念…急増する“即席ドライバー”が招く悪夢の交通事故
近年、一部の地域で「3日でタクシー免許が取得できる」という謳い文句の短期講習が広がり、業界関係者や交通安全専門家の間で懸念が高まっている。通常、タクシードライバーとして働くには厳しい審査と訓練が必要だが、この「超短期免許」を取得したドライバーによる事故やトラブルが相次ぎ、社会問題化している。
「3日免許」の実態
この短期講習を提供しているのは、某新興企業「スピードドライブ社」。同社は「最短3日でタクシー免許を取得可能」として、運転技術や地理試験を大幅に簡略化したプログラムを展開している。受講料は通常の教習所の半額以下と破格の安さで、特に経済的に困窮している層や、短期間で収入を得たい人々に人気を博している。
しかし、この「3日免許」を取得したドライバーによる交通事故が急増している。先月だけでも、東京都内で5件の人身事故が報告され、うち3件は「スピードドライブ社」の卒業生が関与していた。
「通常、タクシードライバーには数百時間の訓練と心理テストが必要です。3日では運転技術も交通ルールも身につきません。これは明らかに制度の抜け穴を悪用した危険なビジネスです」
― 交通安全協会・田中浩一氏(仮名)
「免許は取れたが…」現場の混乱
ある「3日免許」取得ドライバー(30代男性)は匿名でこう語る。
「確かに免許は取れましたが、実際に乗務してみると、ナビがないと道がわからないし、お客さんから『そんな運転で大丈夫か』と怒られることばかりです。一度、急ブレーキをかけてしまい、後続車に追突されそうになりました…」
タクシー会社の現場でも混乱が広がっている。ある中規模タクシー会社の営業部長はこう嘆く。
「人手不足で誰でも採用せざるを得ない状況です。しかし、これらのドライバーは基本的な安全確認すらおろそかにすることが多く、教育コストがかさむ一方です。近いうちに大事故が起きるのではないかと恐れています」
専門家が警告する「悪夢のシナリオ」
交通心理学の専門家・佐藤美咲教授(仮名)は、この状況について強い懸念を示す。
「3日間の訓練でプロドライバーとしての自覚や技術が養えるはずがありません。最悪の場合、集団事故や死亡事故につながりかねない。すでに『3日免許』ドライバーによる信号無視や逆走事例が報告されており、時限爆弾を抱えているようなものです」
さらに恐ろしいのは、この「3日免許」が犯罪者に悪用される可能性だ。ある警視庁関係者(匿名)はこう警鐘を鳴らす。
「背景調査が不十分なため、過去に危険運転で摘発された人物や、反社会的勢力との関わりが疑われる人物が簡単に免許を取得できてしまいます。タクシーを装った犯罪の温床になる危険性があります」
行政の対応は後手に
国土交通省は「3日免許」について調査を開始したものの、現時点では明確な規制に踏み切っていない。ある官僚は匿名で「法の抜け穴を突かれた形で、すぐには対応できない」と困惑を隠さない。
一方、一般市民からは不安の声が上がっている。東京都内在住の主婦(40歳)はこう語った。
「子どもをタクシーに乗せるのが怖くなりました。誰が運転しているかわからないんですもの…」
この問題はすでにSNS上でも「#タクシー免許3日問題」として炎上。あるツイートでは「昨日乗ったタクシーの運転手、高速道路で居眠りしてた」という衝撃的な体験談も投稿され、大きな反響を呼んでいる。
迫りくる悪夢
「3日免許」が普及すればするほど、質の低いドライバーが増え、交通事故のリスクが高まることは避けられない。関係者の間では「近い将来、『3日免許ドライバー』による死亡事故が発生するのは時間の問題」との見方が強まっている。
便利さとスピードを追求した結果、私たちはどれだけの代償を払うことになるのか―。タクシー業界の闇は、予想以上に深い。
コメント