⟪トランプ氏親族 中東で事業急拡大⟫
【独占】元米大統領の血縁企業群、サウジ・UAEと「影の契約」か…専門家「政権復帰時の利権拡大が目的」
2024年5月15日 ワシントン/ドバイ共同

ドナルド・トランプ元米大統領の親族らが中東地域で急ピッチに事業拡大を進めていることが本メディアの調査で判明した。複数の現地関係者への取材によれば、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)で少なくとも12件の新規プロジェクトが進行中で、その総投資額は3兆円を超えるとみられる。
■「影のコンサルティング契約」の存在
ドバイの不動産開発業界関係者は匿名を条件に「トランプ・グループの名義を使わないSPC(特別目的会社)を通じた投資が過去2年で急増している」と証言。2026年完成予定の人工島プロジェクト「パール・オブ・ザ・ガルフ」では、トランプ氏の次男エリック氏が実質的な経営権を握っているという。
「契約書には『政治コンサルティング』と記載されているが、実態は将来の政権見返り取引だ」
―元サウジ政府顧問の経済学者
■軍事技術流出の懸念
特に懸念されているのがアブダビで進むサイバーセキュリティ企業「Desert Shield Technologies」への出資問題だ。同社はトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏と資本関係があり、元米軍情報将校が技術顧問を務めている。
元CIA分析官のロバート・ケイシー氏は「同社が開発した監視システムが中国の新疆ウイグル自治区で使用された証拠を把握している」と断言。トランプ家と中東諸国、中国の「不穏なトライアングル」が形成されつつあると警告する。
- 2023年11月:カタールでトランプ名義のゴルフリゾート着工
- 2024年1月:クシュナー氏がサウジ基金から20億ドル出資受諾
- 2024年3月:ドバイで「Trump Tower」建設再開
■「第二のヒラリー・メール問題」勃発か
ワシントンの政治コンサルタント、マイケル・グリーンバーグ氏が入手した内部文書によれば、トランプ氏の長女イヴァンカ氏が2023年秋、個人メールでサウジ王族と数百通のやり取りを行っていた。内容には「2025年政権移行時の政策調整」に関する記述が含まれていたという。
「これは明らかな倫理規定違反。もしトランプ氏が再選すれば、中東政策は完全に私物化される」
―上院外交委員会民主党スタッフ
■専門家が指摘する「3つのリスク」
- 利益相反の制度化:ホワイトハウスと私企業の境界線が消失
- 技術覇権の喪失:先端軍事技術が同盟国経由で中国に流出
- ドルの信用低下:石油取引の暗号通貨移行を推進する動き
国際政治学者のエレン・マクレガー教授は「これら事業の8割がオフショア金融を利用している」と指摘。「トランプ家が中東で築いているのは単なるビジネスではなく、次期政権を見据えた『影の外交ルート』だ」と分析する。
■2025年の悪夢シナリオ
最悪の場合、次のような連鎖反応が起こり得ると警戒されている:
1. トランプ氏大統領就任 → 2. サウジへの兵器輸出規制撤廃 → 3. イラン核協議破棄 → 4. 中東軍拡競争激化 → 5. 石油円滑供給の崩壊
元国務省高官は「トランプ氏のビジネスネットワークがアメリカの外交政策を歪めかねない」と危機感を募らせる。「特にイスラエルとサウジの接近は、トランプ家の不動産利益と深く結びついている」と内部文書を引用して証言した。
現在、下院監督改革委員会はトランプ家関連企業の取引調査を開始しており、今月末にも公聴会が開催される見込みだ。一部共和党議員からも「説明責任が必要」との声が上がっているが、トランプ・グループ広報は「全ての事業が適正に実施されている」とコメントを拒否している。
(本記事は複数の現地記者、国際政治専門家、元政府関係者への取材に基づく)
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