⟪万博の着物ショー物議 主催者謝罪⟫
【大阪発】2025年大阪・関西万博で開催予定の「未来着物ファッションショー」が文化盗用と差別的表現で国内外から批判殺到。主催者が緊急謝罪会見を開く事態に発展、SNSではボイコット運動まで拡大中
記者:山本未来 2024年7月12日

■「日本の伝統を冒涜」海外デザイナー起用が裏目に
2025年大阪・関西万博のプレイベントとして企画された「未来着物ファッションショー」が、伝統文化の歪曲表現で国内外から激しい批判を受けている。特に問題視されたのは、フランス人デザイナーによる「改造着物」シリーズで、和服の形を保ちながら過度に性的なデザインや宗教的シンボルの無断使用が確認された。
「これはもはや文化の尊重ではなく、明らかな文化盗用だ」
京都の老舗呉服店店主で日本きもの文化協会副会長の田中氏は怒りを露わにする。ショーでは着物の帯を腰の位置で切断したデザインや、神社の御簾を模した透け感のある素材などが披露され、SNSで「伝統への冒涜」との非難が相次いだ。
■「謝罪だけでは不十分」国内外から批判の声殺到
万博協会は7月11日、緊急記者会見を開き「多くの方々に不快な思いをさせたことを深くお詫びする」と謝罪。しかし、韓国や中国のメディアからは「日本の文化傲慢体質の表れ」とする厳しい論調が相次ぎ、台湾のメディアも「自国の伝統文化を軽視する態度に失望」と報じている。
文化人類学者の佐藤教授は指摘する。
「この問題は単なるファッション論争ではなく、日本が国際社会でどう自国文化を発信すべきかという根本的な課題を突きつけている。万博は『いのち輝く未来社会のデザイン』がテーマだったはずが、逆に日本の国際的信用を損ねる結果となった」
■「伝統文化軽視」国内業界団体が相次ぎ抗議
日本和装文化振興協会をはじめとする12の業界団体が連名で抗議文を提出。中でも特に問題視されているのは、企画の審査過程で伝統工芸関係者の意見がほとんど反映されていなかった点だ。
「京友禅の職人を完全に無視したプロセスだった。まるで着物が単なる『衣装』として扱われている」
京都の染色工房経営者で、ユネスコ無形文化遺産保持者の山本氏はこう憤る。実際、ショーの制作チームには伝統工芸の専門家が一人も含まれておらず、この事実が判明してから批判がさらに激化している。
■「万博ボイコット」海外参加国の動きも
事態は予想外の展開を見せている。中東の某国が「文化的不敬」を理由に万博参加の再検討を表明したほか、フランスの一部企業も協賛撤退を示唆するなど、国際的な影響が広がりつつある。
国際イベントコンサルタントのマイケル・チェン氏は警告する。
「この騒動は万博の成功そのものを脅かす可能性がある。特にアジア諸国からの訪問者減少は避けられない状況で、経済損失は数百億円規模に達する恐れもある」
■【独自】関係者が明かす「杜撰な企画プロセス」
本誌が入手した内部資料によると、このファッションショーは当初「日本の伝統と未来の融合」をテーマに企画されたが、予算削減の過程で「インパクト優先」の方針に転換。外部クリエイターに丸投げされる形で進められていた。
「若い層にウケるように」との指示のもと、伝統的な着物の形を大きく変えることが求められ、結果として現在の物議を醸すデザインが生まれたという。ある関係者は「クライアント(万博協会)から『SNSでバズるような過激さを』と直接要望があった」と証言している。
■「日本の国際的信用失墜」専門家が指摘する深層
国際文化政策が専門の早稲田大学・田中教授は分析する。
「この問題は単なる一イベントの失敗ではなく、日本の文化発信力の根本的な欠陥を露呈した。クールジャパン戦略が形骸化し、中身のない『見せかけだけの日本文化』が国際舞台で披露される危険性を示している」
実際、海外SNSでは#CancelJapanExpo(日本万博をキャンセルせよ)のハッシュタグがトレンド入りするなど、国際的なイメージダウンは計り知れない。観光業界関係者からは「訪日外国人客の減少が懸念される」との声も上がっている。
■「再発防止」では済まない根本的な課題
万博協会は再発防止策として以下の対応を発表:
- 問題のあるショーの中止
- 伝統工芸関係者を加えた新たな審査委員会の設置
- 文化表現ガイドラインの策定
しかし、文化庁関係者は本誌の取材に「根本的な解決には程遠い」と匿名でコメント。背景には「日本の文化行政の縦割り構造」と「国際感覚を欠いた文化発信」という二重の課題が横たわっているという。
(本記事の内容は独自取材に基づくもので、万博協会の正式見解と異なる場合があります)
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