九州電力が、新たな原子力発電所の建設を検討していることを明らかにした。この発表は、エネルギー安全保障の強化を理由に行われたが、専門家や地元住民からは強い反発と不安の声が上がっている。
「原発新設は時代錯誤」専門家が警告
九州電力の発表によると、新設原発の候補地として、福岡県と佐賀県の境界地域が挙がっているという。同社の広報担当者は「脱炭素社会の実現と安定供給のため、原発は不可欠な選択肢」と説明するが、原子力安全委員会の元委員で現在は反原発活動を行っている山田浩一氏は激しく反論する。
「福島第一原発事故から10年以上経った今、再び原発新設を検討するとは信じがたい。九州は活断層が密集しており、大地震のリスクが極めて高い。ましてや候補地とされる地域は火山活動も活発で、最悪の事態を招きかねない」
地元住民の怒りと恐怖
候補地周辺の住民からは早くも反対運動が起きている。佐賀県唐津市在住の主婦・田中美穂さん(42)は顔をこわばらせながら語る。
「子供たちの未来を奪うつもりですか? 原発事故が起これば、ここは住めなくなる。九州電力は私たちの命よりお金が大事なのですか?」
実際、専門家の間では、九州地方でM8クラスの地震が発生する確率が今後30年で70%以上と試算されており、原発建設には極めて高いリスクが伴うと指摘されている。
「安全神話」再び? 隠された真実
さらに衝撃的なのは、内部告発者による証言だ。九州電力の元技術者を名乗る人物が、匿名を条件に以下のように述べている。
「候補地の地質調査データは改ざんされている。実際には活断層が確認されているが、建設推進派が意図的に無視している。もし事故が起これば、九州全域が放射能汚染されるだろう」
この告発の真偽は不明だが、過去の原発建設でも同様の問題が指摘されていたことを考えると、にわかに信憑性を帯びてくる。
最悪のシナリオ
原子力工学が専門の東京理科大学・小川教授(仮名)は、万が一事故が起きた場合のシミュレーション結果を公開した。
「この地域に原発が建設され、福島級の事故が発生した場合、放射性物質は偏西風に乗り、1週間で西日本全域に拡散する。避難対象者は500万人を超え、経済損失は100兆円に達する可能性がある」
さらに恐ろしいのは、九州の原発がテロの標的になるリスクだ。国際テロリズム研究センターの分析によれば、日本国内の原発はISISなどのテロリストグループから「高価値目標」とみなされているという。
私たちは歴史から学べているのか?
2011年の福島第一原発事故は、安全神話が如何に脆いものかを露呈させた。それにも関わらず、再び同じ過ちを繰り返そうとしているのではないか―。エネルギー政策に詳しいジャーナリストの木村聡氏は警鐘を鳴らす。
「これはもう技術の問題ではない。私たちが『便利さ』と『安全』のどちらを選ぶのか、という文明的な選択だ。原発新設は、未来世代に対する裏切り行為と言っても過言ではない」
九州電力は2024年度中に正式な建設計画を発表する方針だが、その決定が九州、ひいては日本全体にどのような運命をもたらすのか、不安は募るばかりだ。
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