子が脳性まひ 診断に母「ホッと」

子が脳性まひ診断に母「ホッと」…その安堵の裏に潜む“未知のウイルス”の恐怖

ある日の午後、埼玉県のとある小児科医院で、1人の母親が医師からの診断を聞き、思わず「ホッとしました」とつぶやいた。その言葉の裏には、想像を絶する危険が潜んでいた――。

「脳性まひ」という診断に安堵する母親

2歳の息子・大翔（ひろと）ちゃん（仮名）の異変に気づいたのは、3ヶ月前のことだった。「首のすわりが遅い」「手足が思うように動かない」――。不安を感じた母親の陽子さん（32歳）は、複数の病院を転々とした末、専門医から「脳性まひの疑い」という診断を受けた。

「最初はショックでしたが、ある意味で『原因がわかってホッとしました』と陽子さんは語る。「これまで『もしかしたらもっと怖い病気かも』と毎日怯えていましたから」

しかし、この安堵は長くは続かなかった。

脳性まひと診断されて1週間後、大翔ちゃんの体に新たな異変が現れ始めた。まずは微熱が続き、次第に瞳孔が不規則に収縮するようになった。さらに、夜中に突然奇声をあげるようになり、近所から苦情が来るほどだった。

「最初の診断から1ヶ月後、息子の皮膚が部分的に硬化し始めました」と陽子さんは涙ながらに語る。「まるで何かが彼の体を乗っ取っているようだった」

国立感染症研究所の匿名を条件に取材に応じたウイルス学者は、衝撃的な事実を明かした。

「ここ半年、関東地方で報告されている『脳性まひ類似症例』の約30%に、未知のレトロウイルスの痕跡が確認されています。このウイルスは初期症状を脳性まひと誤認させ、その後、宿主の神経系統を徐々に破壊していく特徴があります」

さらに恐ろしいのは、このウイルスが「垂直感染」（親から子への感染）する可能性だ。陽子さんも最近、手の震えと記憶障害を自覚し始めているという。

厚生労働省の内部資料によると、同様の症例は過去6ヶ月で全国で127件確認されている。特に首都圏での発生率が高く、専門家の間では「新型神経破壊ウイルス（NNV）」と呼ぶ人も出始めている。

「情報統制がかかっているのは明らかです」と告発するのは、元国立保健医療科学院の研究員だ。「このウイルスが本当に怖いのは、潜伏期間が長く、気づいた時には周囲に感染を広げている可能性がある点です」

最も恐ろしいのは、このウイルスが一般的な育児行動を通じて感染する可能性だ。ある保育園では、おむつ交換の際に保育士3人が感染した疑いがあるという。

ウイルス学者は警告する。「公園の砂場、児童館のおもちゃ、さらには授乳行為さえも感染経路になり得ます。我々は、子育てという日常そのものがリスクに変わりつつある時代に突入したのかもしれません」

陽子さん親子は現在、隔離病棟で治療を受けている。医師団は「進行を遅らせることしかできない」と告白する。その言葉の裏には、このウイルスに対する現代医学の無力さがにじんでいた。

「あの時『ホッとした』ことが、実は悪夢の始まりだったなんて…」陽子さんの涙は止まらない。彼女の背後で、大翔ちゃんの体は静かに、しかし確実に変異を続けていた。