室伏氏 新体操の指導問題に言及「このままでは選手の未来が危ない」

元オリンピック選手でスポーツ評論家の室伏広治氏が、新体操界の指導方法に強い懸念を示し、業界に衝撃が走っている。氏は「過酷な練習と精神的な圧力が若い選手たちを壊している」と警告し、早急な改革が必要だと訴えた。

「美しさの裏に隠された闇」

新体操は華やかな演技と優雅な動きが特徴的なスポーツだが、その裏では選手たちが過度なプレッシャーや体罰に苦しんでいるという。室伏氏は匿名を条件に複数の現役選手から聞き取った内容を公開。「毎日10時間以上の練習、体重管理のための極端な食事制限、コーチからの暴言…これでは選手の心身が持たない」と語った。

「ある15歳の選手は、『演技が完璧でなければ価値がない』と言われ続け、摂食障害になった。これは氷山の一角だ」

専門家が指摘する「スポーツ虐待」の実態

スポーツ心理学の専門家・佐藤真一教授（仮名）は、この問題を「スポーツ虐待」と定義する。「新体操に限らず、審美系スポーツでは『美しさ』を追求するあまり、選手の人権が軽視されるケースが多い。特に成長期の少女たちへの影響は計り知れない」と指摘する。

さらに衝撃的なのは、過去5年間で新体操選手の3人に1人が何らかの精神疾患を患っているという内部調査結果だ。ある関係者は「競技を辞めた選手の多くがPTSD症状を訴えている」と明かす。

「オリンピックを目指して」という名の虐待

2024年パリオリンピックを控え、日本新体操連盟はメダル獲得に力を入れている。しかし、室伏氏は「勝利至上主義が選手を追い詰めている」と批判。「17歳の有望選手が過労で倒れ、競技生活を断念した事例もある。このままでは日本の新体操は崩壊する」と危機感をあらわにした。

「私たちは選手を『メダル製造マシン』として見ていないか？ 彼女たちは人間だ。この業界はもっと選手の声に耳を傾けるべきだ」

保護者からの悲痛な叫び

ある選手の母親は匿名で次のように語った。「娘は12歳から毎日泣きながら練習に行っていた。『辞めたい』と言うたびに『オリンピックを諦めるのか』と責められ…今では私を恨んでいる」。

さらに深刻なケースとして、あるクラブチームでコーチが選手に暴力を振るい、その結果選手が自殺未遂を図った事件も発生している。関係当局は調査中だが、業界内では「よくあること」と黙認されている風潮があるという。

未来を変えるために

室伏氏は最後に強いメッセージを残した。「美しいスポーツが選手を破壊してはいけない。指導者の育成システムの見直し、第三者機関の監視、選手のメンタルヘルスケア…今すぐ行動を起こさなければ、また若い命が失われる」。

日本新体操連盟は「一部の事例を誇張した報道」と反論しているが、SNS上では#新体操闇 というハッシュタグで多くの体験談が共有され、議論が沸騰している。

この問題は単なるスポーツ界のスキャンダルではなく、日本の子どもを守るための社会問題として捉えるべき時が来ているのかもしれない。