⟪年金法案を国会に提出へ 修正焦点⟫

2024年6月10日、政府は「年金制度持続化法案」を国会に提出する方針を固めた。 関係者によると、今回の法案は「年金支給開始年齢の段階的引き上げ」と「保険料率の最大15%増額」を骨子とするが、与党内からも「国民の反発は避けられない」との声が上がっている。専門家は「このままでは日本の年金制度は10年以内に破綻する」と警告し、国民の不安が急速に広がっている。

■「75歳支給開始」現実味…政府のシミュレーションが波紋

政府が非公開で行った内部シミュレーションによると、現行制度を維持した場合、2030年度までに年金積立金が枯渇する可能性が高いという。財務省幹部は匿名を条件に「65歳支給開始を70歳に引き上げただけでは不十分で、将来的には75歳開始も視野に入れざるを得ない」と明かす。

経済学者の田中宏昌氏（東京大学名誉教授）は「少子高齢化の進行速度が想定を上回っている。今回の改正ですら『焼け石に水』の可能性が高い」と指摘。「現役世代は『払い損』覚悟が必要だ」と厳しい見解を示した。

■「保険料15%増」で家計直撃…若年層から怒りの声

法案の最大の焦点は保険料率の引き上げだ。現行18.3%から段階的に引き上げ、2030年度までに21%とする方針が固まっている。30代会社員の年収400万円の場合、年間で約10万円の負担増となる試算だ。

都内でIT企業に勤める佐藤健一さん（32歳）は「もう年金には頼れないと悟っている。増額分を自己投資に回したいが、強制的に徴収されるのは理不尽だ」と憤る。SNS上では「#年金払い拒否」のハッシュタグが拡散し、反発が広がっている。

■専門家が指摘する「隠された真実」

年金問題に詳しいジャーナリストの鈴木真理子氏は、政府発表には重大な「抜け穴」があると指摘する。「現在の高齢者への給付水準を維持するため、実質的な目減り分を現役世代に転嫁している。計算上は『65歳から30年間受給』を前提としているが、平均寿命が90歳を超える時代に、この前提自体が非現実的だ」

さらに恐ろしいのは、厚生労働省の内部文書で「将来的に受給額を現行比40%削減するシナリオ」が検討されていることが判明した点だ。年金監視団体「Japan Pension Watch」の調査では、この事実を知る国民はわずか3%にとどまる。

■「年金基金の運用失敗」が招く最悪シナリオ

GPIF（年金積立金管理運用独立行政法人）の2023年度運用実績は、市場環境の悪化により約28兆円の評価損を計上した。元GPIF職員の匿名証言によると「実際の損失は公表値の3倍に上る可能性がある」という。

金融アナリストの木村浩一氏は「年金基金は『国債依存症』から脱却できていない。金利上昇局面では巨額の評価損が発生し、将来的に『年金支給不能宣言』が出るリスクすらある」と警鐘を鳴らす。

■あなたの年金は大丈夫？ 今から取るべき3つの行動

1. 「年金見込額」の再計算：政府の試算より20%少なく見積もる
2. 「60歳以降」の収入源確保：副業や資産形成の早期開始
3. 「海外移住」の検討：物価が安く医療水準の高い国での老後

年金コンサルタントの山本裕子氏は「特に40代以下の世代は、国に依存しない人生設計が必須。『年金はあてにしない』という前提で動かないと、老後破綻する」と訴える。

国会審議が始まる今月15日以降、与野党の激しい攻防が予想される。しかし、専門家の間では「どのような改正案でも、現状維持は不可能」との見方が強く、国民一人ひとりが「年金なし」の未来を想定した準備を急ぐ必要がある。