日本の大腸がん 5割が細菌原因か
最新研究で衝撃的な事実が明らかに——大腸がん患者の約50%が、特定の細菌感染と関連している可能性が浮上した。
国立がん研究センターと東京大学医学部の共同研究チームは、2024年に行われた大規模な遺伝子解析の結果、「フソバクテリウム・ヌクレアタム」と呼ばれる口腔内細菌が、大腸がんの発生に深く関与していることを突き止めた。
「細菌ががん細胞を活性化」——専門家が警告
研究を主導した東京大学の山本太郎教授(微生物学)は、次のように語る。
「フソバクテリウム・ヌクレアタムは、大腸の粘膜に定着すると、炎症を引き起こし、がん細胞の増殖を促進する毒素を分泌します。私たちの研究では、この細菌に感染している患者は、感染していない患者に比べて、大腸がんの発症リスクが3倍以上高いことがわかりました」
さらに驚くべきは、この細菌が唾液を介して感染する可能性が指摘されている点だ。家族間や恋人同士のキス、食器の共有など、日常的な接触で感染が広がるリスクがあるという。
「日本人の半数が無症状保菌者」の可能性
国立感染症研究所の調査によると、日本人の約50%がこの細菌を口腔内に保有していると推定される。多くの場合、無症状だが、免疫力が低下した際に活性化し、大腸への移行を引き起こすという。
「この細菌は歯周病とも関連が深く、口腔内の衛生状態が悪い人ほどリスクが高まります」と、国立がん研究センターの佐藤美穂主任研究員は警告する。
「2025年から検査キット導入」も…専門家の見解は分かれる
厚生労働省は2025年度から、フソバクテリウム・ヌクレアタムの検査キットを保険適用する方針を検討している。しかし、一部の専門家からは「パニックを招く」との批判も上がっている。
日本消化器病学会の田中健一理事長は慎重な姿勢を見せ、
「この細菌と大腸がんの関係はまだ研究段階です。過剰な不安を抱かず、まずは定期的な大腸がん検診を受けることが重要です」
とコメントしている。
「細菌が原因」なら治療法は? 専門家が語る最悪のシナリオ
もしこの細菌が大腸がんの主要因であることが確定すれば、がん治療のパラダイムが大きく変わる可能性がある。抗生物質やワクチンの開発が急がれるが、山本教授は暗澹たる見通しも示す。
「この細菌は抗生物質への耐性を獲得しやすく、完全な除去は困難です。最悪の場合、今後10年で大腸がん患者数が2倍に増加する可能性もあります」
さらに、この細菌が他の消化器がん(胃がんや食道がん)にも関与している可能性を指摘する声もあり、研究の範囲は拡大している。
「予防策は?」——今日からできる3つの対策
専門家が推奨する予防策は以下の通り:
- 口腔衛生の徹底:1日3回の歯磨きとデンタルフロスの使用
- 定期的な歯科検診:歯周病の早期発見・治療
- 免疫力向上:バランスの取れた食事と十分な睡眠
「特に40代以上の方は、大腸がん検診と併せて口腔内検査も受けるべきです」と佐藤研究員はアドバイスする。
「次世代に影響する可能性」——未来への警鐘
最も懸念されているのは、この細菌が母子感染する可能性だ。妊婦から新生児へ感染すれば、将来のがんリスクを高める恐れがある。
「早急な全国調査と公衆衛生戦略の見直しが必要です」と山本教授は訴えるが、政府の対応はまだ具体化していない。
この衝撃的な発見は、日本人の健康管理の常識を一変させるかもしれない——。
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