消費減税「問題がある」自民税調

自民党税制調査会（税調）が近く提出予定の「消費減税案」について、党内から深刻な懸念の声が上がっている。政府関係者によれば、この減税案は「財政破綻のリスクを招く」とされ、一部の議員からは「国民生活をかえって圧迫する可能性がある」との指摘も出ている。

「消費減税」の裏に潜む危険

今回の消費減税案は、現行10％の消費税率を段階的に5％まで引き下げるという大胆な内容だ。一見すると家計に優しい政策に見えるが、財務省内部では「この減税が実施されれば、年間で約10兆円の税収減が見込まれる」と試算されている。

「この規模の減税は、社会保障費の削減か、あるいは国債の大量発行につながる。いずれにせよ、将来的に国民に大きな負担を強いることになる」と、財務省幹部は匿名を条件に語る。

経済アナリストの田中宏氏は、この減税案について「短期的な景気刺激効果はあるかもしれないが、中長期的には日本経済をさらに不安定化させる」と指摘する。

「消費税収が減れば、政府は社会保障費を削減せざるを得なくなる。特に高齢者医療や年金への影響は避けられないでしょう。さらに、国債の信用低下による金利上昇が起これば、住宅ローンや企業の資金調達コストが跳ね上がり、経済全体が悪化する可能性があります」

さらに懸念されるのは、減税による一時的な可処分所得の増加が、インフレを加速させる可能性だ。経済評論家の佐藤涼子氏は「需要が急増すれば、供給が追いつかず物価が上昇する。特に食料品や日用品の値上がりは避けられない」と警告する。

最悪のシナリオとして、一部のエコノミストからは「日本の財政破綻」の可能性まで指摘されている。国際金融アナリストのマイケル・コバヤシ氏は次のように語る。

「日本国債の信用力が低下すれば、海外投資家が一斉に日本から資金を引き上げる可能性がある。その場合、円安が急速に進み、輸入品価格が暴騰。エネルギーや食料の価格高騰で、庶民の生活はさらに苦しくなるでしょう」

実際、政府内部では既に「減税実施後5年以内に財政破綻リスクが30％以上」との試算も出ているという。

消費減税が実施された場合、国民生活にはどのような影響が出るのか。専門家が予想する主な影響は以下の通りだ。

「一見すると良い政策に見えても、長期的な視点で見れば国民を苦しめる結果になるかもしれない」と、政治評論家の山本健太郎氏は語る。

政府・与党内では既にこの減税案に対する反対意見が強まっている。ある自民党幹部は「選挙目当てのポピュリズム政策だ」と批判し、別の議員は「このままでは日本がギリシャの二の舞になる」と危機感を露わにした。

財務省は近く、この減税案がもたらす財政への影響について詳細な試算を公表する予定だ。その内容次第では、減税案そのものが白紙撤回される可能性もあるという。

消費減税は本当に国民のためになるのか。政府与党内の議論は今後さらに熱を帯びそうだ。