療育とは 現場知る漫画家の思い

療育とは、発達障害や知的障害を持つ子どもたちの成長を支援するための取り組みだ。一般的には、専門家による指導や家庭でのサポートが中心とされている。しかし、その現場には一般には知られていない「闇」が潜んでいる――。

「理想」と「現実」の乖離

漫画家の赤城みどりさん(仮名)は、自身の子どもが発達障害と診断されたことをきっかけに、療育の現場を描いた漫画を執筆している。当初は「療育の素晴らしさ」を伝えるつもりだったが、取材を進めるうちに恐ろしい現実に直面したという。

「ある施設では、子どもを『管理しやすいように』と、強力な向精神薬を過剰に投与していたんです。子どもはボーッとした状態で、まるでロボットのよう……。これは明らかな人権侵害です」

― 赤城みどり(漫画家)

「療育」の名の下に行われる虐待

赤城さんが指摘するのは、療育施設における「教育的虐待」の問題だ。ある施設では、以下のような事例が報告されているという。

  • 「問題行動」を起こした子どもを密室に閉じ込める「タイムアウト」と称した監禁
  • 食事を制限する「行動修正療法」
  • 保護者への報告を巧妙に操作し、実態を隠蔽

児童心理学者の佐藤健一郎氏(仮名)は、こうした行為について警告する。

「これは明らかにトラウマを生む行為です。発達障害の子どもは、通常以上にストレスへの耐性が低い。こうした『療育』は、将来的にPTSDやうつ病を引き起こすリスクが極めて高い」

― 佐藤健一郎(児童心理学者)

「善意」が生む悪循環

問題は、こうした行為が「子どものため」という大義名分で行われることだ。ある元施設職員は匿名を条件に、次のように証言する。

「私たちは『専門家』として、自分たちの手法が正しいと信じ込まされていました。『少し厳しくても、将来のため』と。でも今思えば、あれは洗脳に近かった」

さらに恐ろしいのは、こうした施設の実態が外部からほとんど監視されていないことだ。ある自治体の福祉担当者は、次のように認めている。

「施設の数に対して監督官が圧倒的に不足しています。年に1度の立ち入り検査では、巧妙に隠ぺいされた問題を見抜くのは困難です」

「療育ビジネス」の闇

背景には、療育市場の急成長がある。ある業界関係者によれば、一部の民間施設では「高額な療育プログラム」を保護者に売り込み、実際には効果が疑わしい手法を続けているケースもあるという。

「1回数万円の『特別療育』と称して、科学的根拠の乏しいオカルト的な療法を行っている施設も存在します。保護者は必死ですから、高額でも試そうとするのです」

私たちにできること

赤城さんは、この問題を漫画で描き続ける決意を語る。

「知らないことが一番怖い。療育の『光』だけでなく『影』も伝えることで、少しでも状況が変わることを願っています」

専門家は、療育施設を選ぶ際には以下の点を確認するよう勧めている。

  1. 施設の指導方針を詳細に聞き、納得できるか
  2. 可能ならば複数の施設を見学し、比較する
  3. 子どもが施設から帰った後の様子を注意深く観察する
  4. 不審な点があればすぐに質問し、説明を求める

療育は本来、子どもたちの可能性を開くためのものだ。それが逆に子どもたちを傷つける手段になってはいけない――。現場を知る者たちの警告は、ますます切実さを増している。

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