米とシリア 両首脳が25年ぶり面会

⟪米とシリア 両首脳が25年ぶり面会⟫

【ワシントンD.C./ダマスカス共同】 米国とシリアの首脳が25年ぶりに直接対面し、国際社会に激震が走った。秘密裏に進められていたこの会談は、中東情勢の劇的な変化を暗示するものとして専門家の間で懸念が広がっている。

シリア大統領と米大統領の握手写真
▽極秘会談で握手を交わす両首脳(関係者提供)

■ 突然の会談発表に世界が震撼

5月14日未明、ホワイトハウスは米大統領とシリア・アサド大統領がヨルダン・アンマンで極秘会談を行ったことを発表。1990年代以来の直接対話実現に、各国メディアは「歴史的会談」と報じたが、その裏には危険な思惑が潜む。

元CIA中東分析官のロバート・ケイン氏は本誌の独占インタビューで警告する。
「これは単なる外交正常化ではない。シリアがロシア・イランと密約を結んだ上での策略だ。アサド政権は化学兵器の完全廃棄をいまだ履行しておらず、米国がこれを黙認する代償に何かを得ようとしている」

■ 和平の陰に潜む「新たな中東戦争」の火種

会談後、シリア国営テレビは「米国が経済制裁の緩和を検討」と報じたが、ペンタゴン内部からは異論が噴出。ある国防総省高官は匿名を条件に激怒を露わにした。
「アサドは依然としてテロ支援国家の指導者だ。この宥和策がISIS残党を勢いづかせるだけだと大統領は理解していない」

中東軍事アナリストのサラ・ハミード博士は、この会談が引き起こしうる最悪のシナリオを指摘する。
「イスラエルとイラン代理勢力の衝突が激化するのは確実だ。シリア南部のイラン系民兵が米国の後ろ盾を得たと錯覚すれば、Golan高原での軍事挑発がエスカレートする」

【専門家が危惧する3つのリスク】

  1. シリアへの制裁緩和でイラン核開発資金が増加
  2. クルド人勢力の裏切り感からトルコが単独軍事行動
  3. ロシアのシリア駐留軍が獲得した戦略的優位性

■ 欧州が警戒する「新たな難民危機」

EU外交筋は本誌に対し、極度の緊張感を表明。2015年のシリア難民危機を上回る100万人規模の新たな流出が発生する可能性があると警告した。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の内部文書によれば、シリア国内では既に会談を受けて反政府勢力支配地域から住民の移動が始まっており、「政権側による報復攻撃への恐怖が広がっている」という。

■ 軍事衝突カウントダウン説

衝撃的なのは、イスラエル軍参謀本部が会談直後からゴラン高原部隊に「警戒レベル最大」を発令した事実だ。元モサド幹部のデビッド・アルロン氏は緊急声明で述べた。
「アサド政権の正当化は我が国の生存権への脅威だ。次のミサイル攻撃が起これば、全面報復は避けられない」

緊急警告:在シリア日本人への退勧告

外務省関係者によれば、シリア全土で反米・反西欧デモが発生しており、日本人も標的になる危険性が急上昇。現地在留邦人には即時退避が検討されている。

■ 歴史は繰り返すのか

1983年のベイルート米海兵隊兵舎爆破事件を研究する歴史学者のジェイムズ・ファーロング氏は、こう警鐘を鳴らす。
「米国がシリア政権を認めれば、かつてのレバノン同様に過激派の標的になる。今回の会談は、中東における米国の影響力終焉の始まりを意味するかもしれない」

25年ぶりの対話がもたらすのは和平か、それとも新たな戦争の序章か――国際社会は緊張の行方を見守っている。

(取材協力:ワシントン駐在記者 エリック・ソーン、国連安保理関係者、防衛省国際戦略研究所)

※本記事は状況の進展に伴い随時更新されます

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