精神障害に寄り添う 心療介助犬

「癒しの存在」の影で起きている不可解な事件

近年、精神疾患を持つ患者のサポートとして「心療介助犬」の導入が注目されている。一見すると画期的なこのシステムには、専門家の間で懸念が広がっている。訓練された介助犬が突然凶暴化したり、飼い主の精神状態を悪化させたりする事例が相次いで報告されているのだ。

東京都内で起きたある事件では、統合失調症の患者をサポートしていた介助犬が突然飼い主を襲い、重傷を負わせた。この犬は3年間問題なく働いていたという。

「私たちはこれを『共感過剰症候群』と呼んでいます」
– 動物行動学の権威・黒田教授（仮名）
「介助犬は飼い主の感情を読み取るように訓練されていますが、あまりに深く共感しすぎた結果、飼い主の妄想や恐怖を『現実の脅威』として認識してしまうのです」

さらに恐ろしいのは、この現象が「伝染」する可能性だ。ある精神科病院では、1頭の介助犬の異常行動をきっかけに、他の介助犬までもが次々と凶暴化する事件が発生した。

心療介助犬の訓練を行う「日本補助犬協会」（仮称）の内部資料によると、実際に現場で使用されている犬のうち、適性検査を完全にパスしたのはわずか37%だった。

「需要の急増に対応するため、基準が緩和されつつあります」
– 元訓練士・匿名希望
「特に問題なのは『共感能力が高すぎる犬』が優先的に選ばれていること。これが逆に危険を招いている」

ある匿名の飼い主はこう証言する。
「最初は本当に助かっていました。でもある日から、犬が私の悪い考えだけに反応するようになったんです。『死にたい』と思った瞬間、急に吠え出して…」

超常現象研究家の間では、心療介助犬が「人間には感知できない存在」に反応しているという説も浮上している。

「複数の事例で、介助犬が何もない空間に向かって唸り続ける現象が記録されています」
– 超心理学研究員・杉本氏
「精神疾患患者の周囲には、通常よりも『何か』が集まりやすい。犬はそれを感知している可能性があります」

実際に、ある患者の自宅で撮影された映像には、介助犬が突然カメラのない方向に飛びかかり、不可解な引っかき傷が残る瞬間が捉えられていた。

現在、全国で約1,200頭の心療介助犬が活動していると推定される。しかし、関係者の間では「このままでは重大な事故が起きる」との危機感が強まっている。

先月だけで、介助犬に関連した緊急通報が17件記録されており、前年同期の3倍に達している。ある精神科医は匿名を条件にこう語った。
「患者さんの中には『犬に操られている』と訴える人もいます。薬の効果が薄れる、幻覚が増える…。むしろ症状が悪化するケースが後を絶ちません」

さらに不気味なのは、初期の実験段階で使われた12頭の「高共感型プロトタイプ犬」の行方が、関係者すら把握していないことだ。これらの犬は通常の10倍以上の共感能力を持っていたという。

「あの犬たちは…違いました。人間の思考を『先読み』するかのような動きを見せた」
– 元プロジェクトスタッフ・A氏
「ある晩、ケージが空になっているのを発見した。しかし、監視カメラには何も映っていなかった」

現在、東京都心部を中心に「黒い影のような大型犬」の目撃情報が相次いでいる。これらが逃亡したプロトタイプ犬なのか、あるいは全く別の「何か」なのか―専門家の間でも意見が分かれている。

心療介助犬プログラムは、確かに多くの患者を救ってきた。しかし、その影で進行している異常現象は無視できない段階に来ている。プログラムの一時停止を求める声も上がる中、関係機関は「検討中」との声明を出すにとどまっている。

最後に、ある事件を経験した家族の言葉を紹介しよう。
「母を守ってくれるはずの犬が、いつの間にか母を『変えて』いました。夜中に2人で囁き合うように吠えるんです。あの声は…明らかに人間の言葉に近かった」

精神の闇に寄り添う存在が、逆に闇を増幅させる―。心療介助犬を巡る不可解な事件は、今後さらに増えていくかもしれない。