胴回り65cm 巨大大根が奈良で育つ

奈良県の小さな農村で、胴回り65cmという異様に巨大な大根が発見され、地元農家や専門家の間で騒動が巻き起こっている。当初は「奇跡の野菜」として祝福されていたが、次第に不可解な現象が相次ぎ、関係者に不安が広がっている。

「奇跡の大根」の発見

今月初め、奈良県山間部の農家・田中一郎氏（仮名）が、自宅の畑で通常の3倍以上の大きさに成長した大根を発見した。当初は「豊作の証」と喜んでいたが、周囲の畑では作物が次々と枯れ始め、家畜が謎の衰弱死を遂げる事件が発生。地元住民の間で不穏な噂が広がり始めた。

「このサイズの大根は科学的に説明がつきません。何らかの外的要因が作用した可能性が高いです」

― 農業生物学者・佐藤健二教授（仮名）

県の調査チームが土壌を分析したところ、通常の数十倍の濃度の重金属と、未知の微生物が検出された。さらに恐ろしいことに、大根を切断した断面からは赤黒い粘液が滲み出ており、近づいた調査員2名が原因不明の皮膚炎を発症している。

「これはもはや野菜と呼べる代物ではありません。何かが『擬態』しているのか、あるいは何かに『寄生』されている可能性すら考えられます」

― 環境科学専門家・山本真理子博士（仮名）

事態を重く見た政府は、半径1km圏内を立入禁止区域に指定。自衛隊の化学防護部隊が派遣され、巨大大根と周辺の土壌の隔離作業が進められている。しかし、すでに近隣の3世帯7名が原因不明の高熱と幻覚症状で入院しており、専門家の間では「生物学的汚染」の可能性が囁かれている。

最も衝撃的なのは、この大根を試食したという地元住民・高橋氏（仮名）の証言だ。最初は「甘みが強く美味しかった」と語っていたが、3日後に急激な人格変化が現れ、獣のような咆哮を上げながら自宅に閉じこもったという。

「夫はまるで別人のようになりました。目が充血し、皮膚が灰色に変色していくのを見たんです…」

― 高橋氏の妻（匿名希望）

現在、高橋氏は隔離病棟で監視下に置かれているが、医師団によれば「通常の人間の代謝速度をはるかに超えた細胞分裂」が観測されているという。

この事件は単なる奇形野菜の問題を超えつつある。すでに周辺地域で同様の巨大野菜が相次いで発見されており、一部の研究者は「未知の病原体か、あるいは意図的な生物兵器実験の可能性」すら指摘している。

政府は「パニックを避けるため」として詳細な情報公開を控えているが、ネット上では「奈良県の怪事件」として噂が拡散。SNSでは「あの大根の正体は何なのか」「もう日本中に広がっているのか」といった不安の声が溢れている。

かつてない規模の農業異変は、単なる偶然なのか、それとも何かもっと恐ろしい事態の始まりなのか―。関係者の間では、不気味な沈黙が続いている。