証券口座乗っ取り被害者 頭真っ白 「全財産が消えた…警察も解決不能」 闇サイトで個人情報が流通か

ある朝、目覚めたら全てが変わっていた――。証券口座を乗っ取られ、全財産を失った被害者が続出している。警察や金融機関も対応に追われる中、その手口はますます巧妙化し、一般市民の不安は増すばかりだ。

「預金も投資も全て消えた」 被害者の絶望

東京都内に住む会社員・山田太郎さん（仮名、42歳）は、ある朝、証券会社から届いたメールに背筋が凍った。「あなたの口座から1億2000万円が引き出されました」という文面。慌ててログインを試みるが、パスワードは変更され、本人確認の電話番号も別人のものにすり替えられていた。

「まさか自分がこんな目に遭うとは…。20年間コツコツ積み立ててきた退職資金も、子供の教育費も全て消えました。警察に行っても『国際的な犯罪組織の関与が疑われる』と言われるだけで、解決の見込みは立っていません」

山田さんのような被害者は全国で急増している。金融庁の非公表データによると、今年だけで確認されている証券口座乗っ取り被害は1,200件以上、被害総額は300億円を超えるという。

専門家が警告「あなたの情報は既に闇市場で取引されている」

サイバーセキュリティ専門家の田中浩一郎教授（仮名）は、その手口について驚くべき事実を明かす。

「最近の攻撃は従来のフィッシング詐欺を超えています。大手企業のデータベースから流出した個人情報が、闇サイトで『フルパッケージ』として販売されている。氏名、住所、生年月日、携帯番号、さらには証券口座の履歴まで含まれているケースもあります。犯罪者はこれらの情報を組み合わせ、本人になりすまして証券会社のサポートを騙り、セキュリティ対策を解除させているのです」

さらに恐ろしいのは、「一度流出した情報は永遠に闇市場を流通し続ける」という点だ。田中教授は「今すぐ被害に遭わなくても、数年後に悪用される可能性がある」と警告する。

金融機関の対応は後手に回るばかり

あるメガバンクの内部関係者（匿名希望）は、現場の混乱をこう打ち明ける。

「毎日のように乗っ取り被害の報告が入りますが、対応しきれていません。犯罪者はAIを活用して通常の取引パターンを学習し、不正検知システムをかいくぐってきます。最も悪質なケースでは、被害者が気付かないうちに『本人確認書類』まで偽造され、口座の名義そのものが変更されていました」

金融庁は「多要素認証の義務化」などの対策を打ち出しているが、専門家からは「既に犯罪者はこれらの対策を回避する技術を確立している」との指摘が出ている。

「次はあなたが狙われる」 止まらない個人情報の流出

闇サイト監視を専門とするセキュリティ企業・シールドガードの調査では、日本の個人情報が含まれるデータセットの取引量が過去1年で5倍に急増。特に「高額資産保有者リスト」は1件あたり数百万円で取引されているという。

最後に、山田さんはこう訴えた。

「警察も証券会社も『自己責任』の一点張りです。でも、普通のサラリーマンに、プロの犯罪者集団に対抗する術があるでしょうか？ この記事を読んでいるあなたも、明日は我が身だと思ってください」

※本記事はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係ありませんが、現代社会で実際に起こり得るシナリオを描いています。セキュリティ対策の重要性を考えるきっかけとしてご覧ください。