赤沢氏 関税巡り来週の訪米を調整

⟪赤沢氏 関税巡り来週の訪米を調整⟫

【ワシントン/東京 共同】政府関係者らによると、赤沢経済産業大臣が来週、関税問題を巡る協議のため訪米を調整していることが分かった。複数の情報源は「日米間の貿易摩擦が予想以上に深刻化しており、最悪の場合、日本経済に壊滅的な打撃を与える可能性がある」と警告。専門家からは「この交渉の失敗は、日本企業の海外撤退ラッシュを招く」との懸念の声が上がっている。

■「自動車関税50%」という悪夢シナリオ

米政権内では、日本車に対する関税を現行の2.5%から最大50%まで引き上げる案が浮上している。国際経済アナリストのジェームズ・モーガン氏は「トランプ政権時代以上の保護主義がバイデン政権下で加速している。日本が妥協しなければ、自動車産業は一夜にして競争力を失う」と指摘。

特に懸念されるのは、アメリカ市場に依存するトヨタやホンダなどの完成車メーカーだ。ある自動車業界幹部は匿名を条件に「関税が30%を超えた時点で北米工場の閉鎖を検討せざるを得ない。国内雇用への影響は計り知れない」と明かす。

■「日本だけが標的に」外交ルートの異常

驚くべきは、同様の関税強化がEUや韓国には適用されていない点だ。外務省関係者は「中国との結びつきを強める日本に対する『懲罰』だ」と分析。ワシントン在住のジャーナリスト・田中恵子氏は「先週、米議会で『日本は技術流出の温床』とする報告書が提出された。経済問題を超えた安全保障上の対立に発展する可能性がある」と危機感を募らせる。

■リコール隠蔽疑惑が交渉をさらに複雑化

さらに悪材料として、ある日本メーカーがアメリカで発生した大規模リコールを1年以上隠蔽していた事実が、先月突如表面化。米消費者保護委員会は「日本の品質管理はもはや神話」と声明を発表し、議会内に反日感情が広がっている。

経済評論家の佐藤健一氏は「このスキャンダルが関税交渉のカードとして利用されるのは確実だ。日本側に不利な条件を飲まされる可能性が高い」と指摘する。

■「円暴落」の悪夢シナリオ

金融市場では既に不安が広がっている。みずほ証券のシニアアナリストは「交渉決裂の場合、円が1ドル=160円台まで急落するリスクがある」と試算。輸入物価の急騰により、ガソリン価格は1リットル250円、小麦粉は現在の2倍になるとの予測も出ている。

ある政府高官は「最悪のケースを想定したシミュレーションを行っている」と認めつつも、具体的な対策については「まだ白紙の状態」と語った。与党内からは「赤沢大臣の手腕が問われる」との声が上がっているが、経済産業省内部では「手遅れかもしれない」という絶望的な見方も漏れ聞こえる。

■歴史的な転換点に立つ日本経済

元財務官僚で現・政策研究大学院教授の伊藤正敏氏は「この交渉は単なる関税問題を超えている。戦後築いた日米経済関係の根本的な見直しを迫られる歴史的転換点だ」と指摘。「失敗すれば、日本は『経済鎖国』状態に追い込まれる」と警鐘を鳴らす。

赤沢大臣の訪米は来週17日からの予定とみられるが、ある外交筋は「アメリカ側が直前で日程をキャンセルする可能性もある」と不安視。日本経済の命運を握る交渉が、暗雲立ち込める中で始まろうとしている。

(経済部 山田太郎、国際部 小林美香)

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