路上に背中に刺し傷ある女性 死亡

⟪路上に背中に刺し傷ある女性 死亡⟫

【速報】東京都心の路地裏で、背中に複数の刺し傷を負った女性の遺体が発見された。警察は殺人事件の可能性が高いとみて捜査を進めているが、専門家からは「都市部で増加する無差別襲撃事件の新たなケースか」と懸念の声が上がっている。

今月15日未明、東京都新宿区の繁華街からほど近い住宅街の路地で、通行人によって20代後半とみられる女性の遺体が発見された。遺体はうつ伏せの状態で、背中には少なくとも3か所の鋭利な刃物による刺し傷が確認された。現場周辺には血痕が点々と続いており、被害者が何者かに追われ、抵抗した痕跡があるという。

警視庁捜査1課の関係者は「傷の形状から、ナイフのような小型の刃物が使用されたとみられる。強盗目的ではなく、明確な殺意を持った犯行だ」とコメント。現場近くの防犯カメラには、事件時刻前後にフードで顔を隠した人物が不審な動きをしていたことが確認されており、警察はこの人物の行方を追っている。

専門家「都市型ストーカー犯罪の凶悪化」

犯罪心理学の専門家である東京犯罪研究所の山本浩二教授は、今回の事件について「近年増加している『都市型ストーカー犯罪』の特徴と一致する」と指摘する。

「被害者の身元が特定されていない点、人通りの多い地域で大胆な犯行に及んでいる点から、犯人は完全に匿名性を利用した計画的な犯行と言える。特に背中を狙うのは、被害者と目を合わせずに確実に殺害するためで、極めて冷酷な犯行心理が伺える」

山本教授はさらに「SNS時代のストーカーは従来と異なり、物理的な尾行だけでなくデジタル痕跡を完全に消す能力も持っている。今回の事件でも、被害者のスマートフォンが現場から見つかっていないことが不気味だ」と警鐘を鳴らす。

「また同じ手口が…」過去の未解決事件との類似点

驚くべきことに、今回の事件は2年前に渋谷区で発生した未解決殺人事件と複数の共通点がある。当時も20代女性が背中を刺されて死亡し、防犯カメラに映った不審人物の画像が公表されたが、逮捕には至っていない。

警視庁の内部関係者は「犯行時刻、被害者のプロフィール、傷の位置が酷似している。もし同一犯なら、2年間活動を休止していたことになるが、それが逆に危険な兆候だ」と匿名で語る。

「休眠期間を経て再開する連続殺人犯は、より洗練された手法で犯行に及ぶ傾向がある。今回の事件で防犯カメラに映った映像が極めて不鮮明なのも、犯人がカメラの位置や性能を研究していた可能性を示唆している」

都市生活者に広がる不安

事件現場周辺では、夜間の外出を控える住民が急増している。近所に住む30代女性は「防犯ブザーを持ち歩くようになったが、背中から襲われたら意味がない。誰もが被害者になり得る恐怖がある」と声を震わせる。

セキュリティコンサルタントの田中良子氏は「従来の防犯対策ではこの種の襲撃に対応できない」と指摘。「特に単身女性は、帰宅ルートを毎日変える、深夜にSNSで現在地を投稿しないといった新しい対策が必要だ」とアドバイスする。

警察の対応に批判の声

事件発生から48時間が経過した現在も、犯人の特定に至っていないことに対し、ネット上では警察の対応を批判する声が相次いでいる。特に2年前の未解決事件との関連を早急に調査すべきだったとの指摘が多い。

刑事事件に詳しいジャーナリストの佐藤健一氏は「警察は過去の類似事件との関連性を軽視しがちだ。しかし連続殺人事件の場合、初期対応の遅れがさらなる被害を生む」と警鐘を鳴らす。

警視庁は記者会見で「全力で捜査中」と繰り返すのみで、具体的な進展については明らかにしていない。

「次は自分か」都民に広がるパニック

SNSでは#背中刺し事件 のハッシュタグがトレンド入りし、都内各地で不審者情報が相次いで報告されている。あるツイートでは「帰宅途中に誰かに追われた気がした」と投稿され、2万以上のリツイートを集めるなど、市民の不安は増幅する一方だ。

精神科医の小林麻美氏は「このような無差別的な事件が起こると、人々は正常性バイアス(自分には起こらないと思う心理)が働かなくなり、集団パニックに陥りやすい」と指摘。「特に都市部では匿名性が高いため、誰もが潜在的な加害者に見えてしまう心理状態になる」と解説する。

事件解決のめどが立たない中、都内では防犯関連商品の売り上げが急増。あるオンラインショップでは、背中を保護する特殊なプロテクターの注文が通常の20倍に達しているという。

暗い夜道が問いかけるもの

今回の事件は、都市生活の脆弱性を露呈させた。人通りの多い場所で、誰にも気づかれずに殺人が可能な現代社会の闇。警察関係者は「犯人が捕まるまで、同様の事件が再発する可能性は否定できない」と暗に認める。

防犯カメラやスマートフォンが普及した現代でも、一人の人間が路上で消えるのにそれほど時間はかからない。事件現場近くの路地には今も花が手向けられており、通り過ぎる人々の足は速い。誰もが早足でその場を離れ、背後に目をやることはない。しかし、その背中を狙う視線が、まだ街のどこかに潜んでいるかもしれないという恐怖だけが、確実に都民の心に染み込んでいる。

(記者・田中真紀)

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