週末 西-東日本で警報級大雨恐れ

気象庁が警告する「数十年に一度」の記録的豪雨

今週末、西日本から東日本にかけて広範囲で「警報級」の大雨が降る恐れがあるとして、気象庁が緊急会見を開いた。専門家は「線状降水帯が長時間停滞し、数十年に一度レベルの豪雨災害が発生する可能性がある」と警告している。

気象庁の予報によると、南から流れ込む非常に湿った空気と停滞前線の影響で、6月10日(土)から11日(日)にかけて西日本を中心に1時間に80mmを超える「猛烈な雨」が降る見込み。総雨量は地域によって500mmを超える可能性があり、過去の大規模水害を上回る降雨が予想されている。

「今回の雨は単なる大雨ではありません。特に危険なのは、降り始めからの総雨量が極端に多くなる点です。土砂災害の危険性が急激に高まり、河川の氾濫が相次ぐ恐れがあります」

– 気象研究所山本浩一主任研究員（仮名）

2018年に200人以上の死者・行方不明者を出した西日本豪雨を引き合いに出す専門家も少なくない。当時と類似した気象条件が揃っており、さらに降雨量が多くなる可能性が指摘されている。

特に懸念されているのは、夜間から明け方にかけて雨が強まる予報が出ていることだ。暗闇の中での避難は困難を極め、2018年の豪雨でも多くの犠牲者が「自宅待機中」に被災している。

「『まだ大丈夫』という判断が命取りになります。特に高齢者の方は早めの避難を心がけてください。自治体によっては事前避難を呼びかけていますが、『勧告』を待たずに自主避難する勇気が必要です」

– 防災危機管理アドバイザー田中恵子氏（仮名）

東京・大阪などの大都市圏でも地下街や地下鉄駅の浸水、低地の冠水が懸念される。ある地下鉄関係者は「排水ポンプが処理できる容量を超える降雨が予想されており、最悪の場合、駅構内に1m以上の浸水が発生する可能性がある」と匿名を条件に明かした。

スーパーでは早くも水やカップ麺などの買い占めが発生しているほか、電力会社は「広範囲で停電が発生する可能性がある」として警戒を強めている。あるガス会社の関係者は「土砂災害によりガス供給が停止する地域が出るかもしれない」と述べた。

気象庁は「これまでに経験したことのない雨の降り方になる可能性がある」として、最新情報の確認を呼びかけている。週末の不要不急の外出は極力控え、早めの防災対策が求められる。