⟪露ウ直接協議 プーチン氏は欠席か⟫
【モスクワ/キエフ共同】 今週予定されているロシアとウクライナの直接協議において、ウラジーミル・プーチン大統領が欠席する可能性が浮上し、国際社会に新たな懸念が広がっている。複数の外交筋が「プーチン氏の健康状態に重大な懸念がある」と匿名を条件に明かし、クレムリンの権力基盤が揺らいでいる可能性を示唆した。
■「健康悪化」説とクーデタ警戒
先月から公の場での歩行にふらつきが見られ、演説中に不自然な「空白」が目立っていたプーチン氏。英国諜報機関MI6の元分析官は「少なくとも3種類の処方薬を服用しているという情報がある。パーキンソン病または末期がんの進行が疑われる」と衝撃的な見解を述べた。
モスクワ在住の政治ジャーナリスト、イリヤ・セミョーノフ氏は「近衛部隊の配置変更や深夜の閣僚招集が頻発しており、クーデタ防止の動きと解釈できる」と指摘。プーチン氏の側近であるセルゲイ・ショイグ国防相が「大統領官邸周辺に装甲車を配備」したとの現地報道も相次いでいる。
■核兵器管理の空白が招く最悪シナリオ
米戦略国際問題研究所(CSIS)のロシア軍事専門家は「プーチン体制が崩壊すれば、世界最大の核兵器保有国が『制御不能』に陥る」と警告。特に懸念されるのは、戦術核兵器の管理システムだ。同専門家は「現場指揮官への権限委譲が進んでおり、1人の将軍の独断で核が使用される危険性がある」と述べ、NATO加盟国との偶発的衝突リスクを指摘した。
ウクライナ情報当局によれば、ロシア西部のイスカンデルミサイル部隊が「通常弾頭から核弾頭への交換訓練」を急ピッチで実施しているという。キエフの軍事アナリストは「これは威嚇ではなく、実際の使用を想定した動きだ」と語り、冬季までに限定核使用があるとの見方を示した。
■欧州が備える「亡命政府」受け入れ
ドイツのシュタインマイヤー大統領が先週、ベルリン郊外の軍事施設を突然訪問した背景について、EU外交官は「ロシア自由派勢力との極秘接触があったため」と説明。仮にクレムリンでクーデタが発生した場合、西側諸国が「民主派ロシア人」による亡命政府を承認する計画が進行中という。
しかし、このシナリオには重大なリスクが伴う。元CIAロシア部長は「プーチン後継者がより過激なナショナリストになる可能性が高い。ソ連崩壊時の混乱を上回る人道危機が起きかねない」と警鐘を鳴らす。
■歴史家が指摘する「1914年との不気味な類似点」
オックスフォード大学の現代史教授は、現在の状況を「サラエボ事件直前の欧州」に例える。「指導者の健康不安→軍部の独走→同盟国の暴走」という1914年と酷似したプロセスが、核時代において再現されようとしているという。
特に懸念されるのは、ロシアがウクライナで「勝利なき撤退」を選択できない状況だ。同教授は「面子を守るためには、むしろ戦争拡大が選ばれる可能性がある」と指摘。バルト三国への侵攻や黒海でのNATO艦船攻撃が「意図的な挑発」として行われる危険性に言及した。
■日本への影響-北方領土に異変
防衛省内部資料によれば、国後島のロシア軍部隊が先週から「通常の3倍」に増強されている。自衛隊幹部は「プーチン体制の弱体化が、かえって軍部の対日強硬姿勢を招く」と危惧。北海道で行われた避難訓練では、初めて「核汚染想定」の項目が追加された。
経済面では、サハリン2プロジェクトのガス供給が7月から不安定化。ロシア極東部の現地スタッフが「モスクワからの指示系統が混乱している」と証言しており、冬場のエネルギー危機が再燃する可能性がある。
【専門家の最終警告】
「これは単なる外交ボイコットではない。人類が核のボタンの行方を見失う瞬間かもしれない」
- 元国連事務次長(軍縮担当)
クレムリンはプーチン氏の欠席理由を「スケジュールの都合」と説明しているが、その表情のない発表がかえって世界の不安を増幅させている。
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