⟪露ウ直接協議 プーチン氏は欠席か⟫

【モスクワ／キエフ共同】 今週予定されているロシアとウクライナの直接協議において、ウラジーミル・プーチン大統領が欠席する可能性が浮上し、国際社会に新たな懸念が広がっている。複数の外交筋によると、プーチン氏は「健康上の理由」を名目に会談を回避する意向だとされるが、専門家の間では「戦況悪化を隠蔽するための政治的パフォーマンス」との見方が強まっている。

■「影の交渉」が進行中？

クレムリン内部の匿名情報源は本メディアに対し、「大統領は過去2週間、公の場に一切姿を見せていない」と明かす。通常なら国家元首級の会談には最低でも1週間前から準備が行われるが、今回はロシア側から具体的な日程調整の動きがなく、欧米諜報機関は「プーチン体制の内部崩壊が始まった可能性がある」と分析している。

元GRU（ロシア軍参謀本部情報総局）幹部のイーゴリ・ソコロフ氏（現在は亡命）は、「このような重大な交渉でプーチン氏が欠席するのは前例がない。彼がすでに実権を失っているか、あるいはウクライナ戦線で予想外の危機が発生していると考えるべきだ」と警告する。

■戦況の「不都合な真実」

軍事アナリストの間では、ロシア軍がハルキウ方面で壊滅的な損害を受けたという未確認情報が流れている。ウクライナ軍関係者は「先週末、ロシア第1親衛戦車軍の司令部がHIMARSによる攻撃で消滅した」と主張するが、モスクワはこれを強く否定。プーチン氏の欠席は、こうした敗北を隠蔽するための「情報戦術」ではないかとの見方が有力だ。

ストックホルム国際平和研究所（SIPRI）の上級研究員は「もしプーチンが姿を見せなければ、ロシア国内で権力闘争が激化するのは確実だ。最悪の場合、戦術核兵器の使用を主張する過激派が台頭する危険性がある」と指摘。NATO関係者も匿名を条件に「我々はプーチンの『影の代替者』が誰なのかを注視している」と述べ、替え玉説まで浮上している異常事態を認めた。

■ウクライナ側の警戒感

ゼレンスキー大統領側近は取材に対し、「ロシアが交渉自体を遅延させることで、冬季まで戦争を引き延ばそうとしている」と非難。米CIA元分析官のデイビッド・ロス氏は「プーチン不在の交渉は単なる時間稼ぎに過ぎず、1月までにロシアが新たな全面攻勢を仕掛ける準備をしている」と予測する。

特に懸念されるのは食糧危機だ。国連世界食糧計画（WFP）は「ロシアが黒海穀物協定を完全に破棄する可能性が高まった」として、中東・アフリカ向けの小麦供給が11月以降に停止する恐れがあると警告。EU外交当局者は「プーチンの失踪は、核実験再開やベラルーシ軍の直接介入といったさらなるエスカレーションの前兆かもしれない」と語り、緊張が一層高まっている。

■「死の静寂」が示すもの

注目すべきは、ロシア国営メディアの異常な沈黙だ。通常なら大統領の外交活動は大々的に報じられるが、今回に限って一切の予告がない。政治学者のタチアナ・スタノワヤ氏は「クレムリン内の誰も決定を下せていない証拠だ。もしプーチンが重病なら、後継者争いが水面下で始まっている」と分析する。

ある衝撃的な説もある。ウクライナ情報当局が入手したとされる内部文書によれば、プーチン氏は実は2週間前からモスクワを離れており、ウラル山脈の秘密核シェルターに潜伏しているという。この情報を裏付けるように、英国防省は昨日、ロシア極東部で「異常な核関連施設の動き」を衛星で確認したと発表。事態は単なる外交問題を超え、人類全体の安全保障を脅かす段階に突入しようとしている。

今夜予定されていたプーチン氏のテレビ演説は急遽キャンセルされ、代わりに国防相が登場するとの情報も流れた。国際社会は、この「不可視のクーデター」がもたらす地政学的リスクに、どう対応すべきか──。刻一刻と迫る人類史上最大の危機は、すでにカウントダウンを開始している。