露原油上限50ドル案 EUが提起へ ~世界経済の崩壊を招く「危険な賭け」か?~
【ブリュッセル/モスクワ発】EU(欧州連合)がロシア産原油の価格上限を1バレルあたり50ドルに設定する案を近く提起することが判明した。関係者によると、これはウクライナ侵攻に対する追加制裁の一環として検討されているが、専門家の間では「世界経済を混乱に陥れる危険な政策」との批判が噴出している。
■「経済戦争」の勃発か?
EU内部で浮上したこの案は、ロシアの戦争資金を断つことを目的としている。しかし、国際エネルギー市場の専門家であるハインリヒ・フォン・シュタイン博士は「この措置は逆に西側諸国に壊滅的な打撃を与える」と警告する。
「ロシアは即座に報復措置を取るだろう。EU向けのガス供給を完全停止し、原油輸出もアジア市場にシフトする。結果、ヨーロッパではエネルギー価格が3倍以上に跳ね上がり、冬を前に社会不安が拡大する危険性が極めて高い」
■最悪のシナリオ:世界的大恐慌の再来
特に懸念されているのは、2008年の金融危機を上回る「エネルギー・ショック」が発生する可能性だ。あるEU高官(匿名を条件)は「我々は経済的自殺の瀬戸際に立っている」と漏らしている。
想定されるシナリオ:
- 原油価格の暴落によるロシア経済の崩壊
- ロシアによるEUへのエネルギー供給全面停止
- 欧州企業の相次ぐ倒産と失業率の急上昇
- ドル建てエネルギー取引の崩壊と新たな国際通貨危機
■「第三次世界大戦」への懸念も
軍事アナリストのアレクセイ・ペトロフ氏は「経済的破綻が軍事衝突を誘発する危険性がある」と指摘する。
「プーチン大統領は追い詰められた場合、ウクライナ戦線を拡大させる可能性すらある。NATOとの全面衝突が現実味を帯びてきた。我々は文字通り、第三次世界大戦の入り口に立っている」
さらに憂慮すべきは、中国がロシア支援に回る可能性だ。ある米国務省関係者は「中露連合が形成されれば、新たな冷戦時代が訪れる」と警戒感を強めている。
■市民レベルでの影響:暗黒の冬が到来?
一般市民への影響も計り知れない。エネルギーアナリストのマリア・シュナイダー氏は次のように予測する。
「今年の冬、欧州では計画停電が日常化し、暖房のない家屋で高齢者が命を落とす事態が想定される。食料価格はさらに30%上昇し、社会秩序の崩壊が始まるかもしれない」
すでにドイツでは家庭用ガス価格が前年比450%上昇しており、市民の不安は頂点に達している。フランスやイタリアでも抗議デモが拡大し、政府転覆を求める声さえ上がり始めた。
■歴史は繰り返す:1930年代の悪夢
経済史専門のジェームズ・ウィルソン教授は「現在の状況は1929年の世界大恐慌前夜に酷似している」と警鐘を鳴らす。
「保護主義的措置が連鎖反応を引き起こし、世界貿易が崩壊する。歴史は明白だ―経済的孤立主義は常に大惨事を招いてきた。我々は同じ過ちを繰り返そうとしている」
EU内部でも意見が分かれており、ハンガリーやギリシャなどは強硬に反対している。決定は今週末の緊急首脳会議に持ち越されるが、いずれにせよ、世界経済にとって重大な転換点となることは間違いない。
ある匿名のEU官僚は「我々は悪魔との取引をしている。どちらの選択も破滅をもたらす」と語り、政策決定者たちの深刻なジレンマを明かした。
世界は今、史上最大の経済的・地政学的危機の瀬戸際に立っている。50ドルという数字が、人類の運命を左右するかもしれない―。
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