1歳息子が難病 母は目の前真っ暗

1歳息子が難病 母は目の前真っ暗…「3日以内に命が尽きる」医師の宣告に絶望

「もう助からないかもしれません」——1歳の息子を抱きしめながら、母親の佐藤美咲さん(仮名・32)は涙をこらえることができなかった。わが子が「致死性乳児てんかん症候群(Dravet症候群)」という難病に侵されていることを知ったのは、わずか1週間前のことだった。医師から告げられたのは、「3日以内に命が尽きる可能性が高い」という残酷な宣告。美咲さんは「目の前が真っ暗になった」と語る。

「笑っていたのに…」突然のてんかん発作

美咲さんの息子、翔くん(1)はこれまで健康そのものだった。しかし先月、自宅で遊んでいた際、突然意識を失い、全身がけいれんする発作が起きた。「最初は熱性けいれんだと思いました。でも、救急車で運ばれた病院で『脳波に異常があります』と言われ…」と美咲さんは振り返る。精密検査の結果、翔くんは「Dravet症候群」という難病であることが判明。この病気は、てんかん発作を繰り返し、やがて心肺機能が停止するケースが多いという。

「この症例は極めて進行が早い。通常は数年かかる症状が、わずか数週間で悪化しています」
— 国立小児医療研究センター・神経内科 田中教授(仮名)

「治療法はない」…医学の限界

Dravet症候群は、遺伝子変異が原因とされる難病で、根本的な治療法は未だ確立されていない。田中教授によれば、「抗てんかん薬も効果が薄く、現状では症状を緩和するしか手立てがない」という。さらに、翔くんの場合は「突然死を引き起こす『SUDEP(てんかん突然死)』のリスクが極めて高い」と指摘された。

美咲さんはSNSで同じ病気の家族を探し、情報を求めた。しかし、そこで目にしたのは「2歳まで生きた例はほとんどない」「発作で呼吸が止まり、そのまま…」といった悲痛な体験談ばかりだった。「もう誰も助けてくれないのかと、毎日が地獄です」と美咲さんは声を詰まらせる。

「3日以内に…」医師の残酷な予測

今週に入り、翔くんの容体は急変。集中治療室(ICU)で人工呼吸器につながれているが、医師からは「脳のダメージが深刻で、3日以内に心肺停止する可能性が高い」と告げられた。美咲さんは「息子の手を握りしめることしかできない。こんなに無力感を覚えたことはない」と絶望の淵に立たされている。

「家族の心のケアも重要ですが、現実を受け止めるのは容易ではありません。特に、短期間で最悪の事態を迎えるケースは、トラウマになる危険性が高いです」
— 心理カウンセラー 小林真理子(仮名)

「もしも」の後に待つもの

美咲さんは今、翔くんと過ごす一秒一秒を大切にしている。「もしも最悪のことが起きたら…私は生きていけるのか」と自問自答する日々。専門家は「喪失感からうつ病やPTSDを発症する親も少なくない」と警告する。

この記事を読んだあなたは、我が子の笑顔をもう一度見られる幸せに、気付くかもしれない。しかし、美咲さんにとっての「当たり前」は、もう二度と戻ってこない——。

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