ミュゼ元従業員 未払いに悲痛訴え ~美容業界の闇、過酷労働と「消えた給与」の実態~
ミュゼ元従業員 未払いに悲痛訴え ~美容業界の闇、過酷労働と「消えた給与」の実態~
「給与が3ヶ月も支払われない…生活が立ち行かなくなった」
人気脱毛サロン「ミュゼ」の元従業員複数名が、未払い給与を巡り悲痛な訴えを始めた。一部の店舗では、従業員への給与支払いが数ヶ月間にわたって滞り、中には「半年分の給与が未払い」というケースも確認されている。関係者への取材を進めると、美容業界に蔓延る「ブラック労働」の実態が浮かび上がってきた。
「契約書は存在しない」 闇労働の実態
元従業員Aさん(仮名・28歳)は、あるミュゼ店舗で2年間勤務していたが、最後の3ヶ月分の給与が未払いのまま解雇されたという。
「最初は『システムトラブル』と言われ、次に『経理担当が不在』と言い訳が変わり…結局、一銭も受け取れませんでした。契約書もない状態で働かされ、訴える手段すらありません」
労働問題に詳しい弁護士・佐藤健一氏(仮名)は、この状況を「現代の奴隷制度に近い」と強く批判する。
「美容業界では『見習い』と称した未払い労働が蔓延っています。特にフランチャイズ店舗では、本部の管理が行き届かず、このような違法行為が常態化しているケースが多い」
「給与代わりに施術券」 異常な報酬体系
さらに衝撃的なのは、一部店舗で行われていたという「代替支払い」の実態だ。給与の代わりに、「自社の施術券」や「他店舗でのサービス利用券」が支給されていたという証言が複数得られた。
元従業員Bさん(仮名・25歳)はこう語る。
「『今月は現金がないから』と言われ、20万円分のVIO脱毛券を渡されました。生活費に換金しようとしても、業者からは1割程度の価値しか見積もられず…」
「訴えると脅された」 恐怖の抑圧手法
問題を内部告発しようとした従業員に対して、管理職から「業界で干される」「法的に訴える」などの脅しがあったとも報じられている。ある元店長は、匿名を条件にこう明かす。
「本部からは『従業員の不満は店長の管理能力不足』とみなされ、問題を報告すれば自分が首になる。どちらに転んでも負けの構造でした」
専門家が警告「倒産の前兆か」
経営コンサルタントの田中宏和氏(仮名)は、この事態を重く見ている。
「給与未払いは経営破綻の典型的な前兆です。フランチャイズ本部がこの問題を放置すれば、全店舗に波及する信用危機に発展する可能性が高い」
実際、ある地域ではミュゼ店舗の閉鎖が相次ぎ、予約済みの顧客からもクレームが殺到しているという。
「美容業界全体の闇」 業界再編の危機
この問題はミュゼに限ったことではない。美容業界全体に蔓延る「過当競争」と「人件費削減」の歪みが、従業員にしわ寄せとして押し寄せているのだ。
労働組合関係者は匿名でこう語る。
「美容業界では『美に携わる誇り』を利用した搾取が日常化しています。今回の問題は氷山の一角に過ぎません」
消費者にとっても他人事ではない。未払い労働を強いられた従業員による「質の低下した施術」や、経営悪化に伴う「顧客データの不正流出」などの二次被害が懸念されている。
あなたは大丈夫か? チェックすべき危険信号
現在ミュゼや他の美容サロンで働く人が自らの職場環境を確認すべき「危険信号」を専門家が挙げた。
- 給与の遅配が2回以上続いている
- 「口約束」だけで書面での契約がない
- 残業代が支払われない、または「サービス残業」を強要される
- 問題を指摘すると「やる気がない」と人格攻撃を受ける
弁護士の佐藤氏は「1つでも該当すれば法的措置を検討すべき」と警告する。
行き場を失った従業員たち
未払い給与を巡り、ある元従業員はSNSでこう訴えた。
「クレジットカードは限度額一杯、大家さんには家賃を3ヶ月滞納しています。ミュゼで働いていたことを友人に言えず、誰にも相談できません」
この問題は単なる労働問題ではなく、「人間の尊厳」に関わる深刻な事態へと発展している。美容業界全体が早急な改革に迫られる中、被害を被った従業員たちの救済策はまだ見えていない。
※本記事は複数の匿名証言に基づいて作成されています。ミュゼ運営会社には取材要請を行いましたが、回答期限までにコメントを得られませんでした。
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