⟪米 サウジから1兆ドル投資困難か⟫
【独占】米国とサウジアラビア間で進められていた史上最大規模の経済協力プロジェクトが暗礁に乗り上げている。関係者によれば、1兆ドル(約150兆円)に上るサウジ側の投資が危ぶまれる状況だという。

先週行われた米サウジ高官会談では異例の緊張が走った(イメージ写真)
■ 中東専門家が明かす「裏事情」
この超大型プロジェクトは、サウジアラビアが2030年までに米国へ1兆ドルを投資し、エネルギー、技術、インフラなど幅広い分野で協力するというものだった。しかし、中東情勢に詳しいワシントン研究所のマイケル・ハドソン上級研究員は「少なくとも3つの致命的な問題が表面化している」と指摘する。
「第一に、サウジ王族内部で米国依存からの脱却を求める声が強まっている。第二に、中国がサウジに対しより有利な条件を提示している。そして第三に、米議会がサウジの人権問題を理由に投資受け入れに難色を示している」
■ エネルギー市場への波及リスク
今回の投資計画には、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコによる米国エネルギー企業への大規模出資が含まれていた。国際エネルギーアナリストのジェームズ・ウィルキンソン氏は「このプロジェクトが頓挫すれば、世界のエネルギー市場に甚大な影響を与える」と警告する。
「特にシェールオイル関連企業の株価は既に10%以上下落している。投資が撤回されれば、米国エネルギー業界で大規模なリストラが発生する可能性がある。これは単なる経済問題ではなく、国家安全保障上の危機に発展しかねない」
■ ドル基軸通貨体制への打撃
より深刻なのは、この問題がドルの国際的地位を揺るがす可能性だ。元IMFチーフエコノミストのケネス・ロゴフ氏は「サウジアラビアが石油取引の決済通貨をドルから人民元に切り替える可能性について真剣に議論している」と明かす。
「1兆ドル規模の投資撤退は、ドル信任を大きく損なう。これが引き金となって新興国がドル建て資産を売却する動きが加速すれば、世界的な金融危機を招きかねない」
■ 軍事同盟にも影
防衛関係者によれば、この経済問題は安全保障面にも波及しているという。匿名を条件にした国防総省高官は「サウジが米国製兵器の大量発注を見直す可能性がある」と認めた。
「特にF-35戦闘機の契約が危ぶまれている。これは中東の軍事バランスを根本から変える事態だ。イランやロシアがこの隙をついてくるのは確実だろう」
■ 中国の影
複数の情報源によると、サウジアラビアは既に中国と秘密会談を重ねており、米国への投資分を中国の「一帯一路」構想に振り向ける可能性を探っているという。
アジア戦略研究所のリチャード・リー所長は「これは単なる投資先の変更ではない。中東における米国の影響力が決定的に後退する転換点になり得る」と危機感を強める。
■ 市場パニックの兆し
ウォール街では既にこの問題を「サウジショック」と呼び、警戒感が広がっている。モルガン・スタンレーのアナリストは「最悪の場合、米国株式市場で20%以上の調整が起こり得る」と予測する。
特に懸念されているのが、サウジアラビアが米国債を大量に売却するシナリオだ。財務省筋は「これが現実になれば、長期金利が急上昇し、住宅市場が冷え込む」と認める。
【元サウジ中央銀行副総裁の衝撃発言】
“我々はもはや米国に全てを委ねるつもりはない。世界は多極化しており、我々の選択肢は増えている。これは新たな経済秩序の始まりだ”
– 匿名を条件としたインタビューより
ホワイトハウスは「両国間の協議は建設的に進んでいる」とコメントしているが、関係者の表情は険しい。世界経済を揺るがす可能性を秘めたこの問題は、今後さらに深刻化する様相を見せている。
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