関東 雨のあと気温大幅に上昇か

関東雨のあと気温大幅に上昇か

関東地方で記録的な大雨が続いた後、今週末にかけて気温が急上昇する見込みだ。気象庁の予測によれば、一部地域では35℃を超える猛暑日となる可能性があり、専門家からは「熱中症の危険が極めて高い」との警告が発せられている。

異常気象の連鎖

今週、関東地方では1時間に80mmを超える猛烈な雨が観測され、各地で洪水や土砂崩れが発生。しかし、この雨が止んだ後、高気圧の張り出しにより気温が急激に上昇するという予測が発表された。

「これは単なる暑さではありません。地面が雨水で飽和状態になった後での急激な気温上昇は、都市部では『蒸し焼き状態』を引き起こします」
– 東京気候研究所・山本浩一主任研究員

特に東京23区内では、コンクリートやアスファルトが蓄えた雨水が蒸発する際に湿度が90%近くまで上昇し、体感温度が40℃を超える地域も出ると予想されている。

東京都環境局のシミュレーションによれば、7月15日午後2時頃の新宿駅周辺の体感温度は42℃に達する可能性があるという。

「このような急激な気温変化は、高齢者や持病のある方にとって命に関わります。2018年の熱波を上回る死者が出る可能性すらあります」
– 日本救急医学会・田中良子理事

気温上昇に伴い、エアコン需要が急増することが予想され、東京電力管内では電力供給が逼迫する見込みだ。経済産業省はすでに節電要請を準備しており、大規模停電の可能性も否定できない状況という。

さらに懸念されているのが、気温上昇によるインフラへの影響だ。2018年には埼玉県で路面電車のレールが歪み運休する事態が発生したが、今回も同様のトラブルが予想される。

気候変動研究の第一人者である京都大学の佐藤栄一教授は、今回の気象状況について「日本の夏の新たな常態になりつつある」と指摘する。

「もしこれが8月のピーク時に発生した場合、1日で数百人規模の熱中症死者が出る可能性があります。都市計画そのものを見直さなければ、今後10年で関東平野の一部は夏季に居住不可能になる地域も出てくるでしょう」
– 京都大学気候変動研究所・佐藤栄一教授

気象庁は今後も注意深く観測を続けるとともに、国民に対しては「不要不急の外出を避ける」「こまめな水分補給」「エアコンの適切な使用」などを呼びかけている。

今回の気温上昇がどのような影響をもたらすか、関係機関は警戒を強めている。