ロヒンギャの船難破 427人死亡か
ロヒンギャの船難破 427人死亡か:バングラデシュ沖で「悪魔の海」がまた命を奪う
バングラデシュ・チッタゴン沖—— 今月17日夜、ロヒンギャ難民を乗せたとみられる漁船がバングラデシュ沖で沈没し、最大427人が死亡した可能性があると現地当局が発表した。この海域では過去5年間で最も深刻な難民船事故として、国際社会に衝撃が走っている。
「海は死体で埋まった」:生存者の恐怖の証言
唯一の生存者とされるムハンマド・アリフさん(23)は、地元病院で取材に応じ、こう語った。
「船は真夜中に突然大きく傾いた。子供たちの叫び声、祈りの声…そして静寂。海面は死体で埋まり、月明かりだけがその惨状を照らしていた」
現地漁民が発見した遺体はこれまでに119体に上るが、バングラデシュ海上保安庁のジャラル・アフマド長官は「潮流計算では、残りの遺体はミャンマー領海方向に流された可能性が高い」と説明。回収作業は「ほぼ不可能」との見解を示した。
専門家が指摘する「組織的な人身売買」の影
国際難民問題研究所(IRRI)の上級アナリスト、エレナ・モリソン博士は本紙の独占インタビューで驚くべき事実を明かした。
「この船は『ゴーストシップ』だった。登録番号は抹消され、衛星信号を遮断する装置が搭載されていた。これは単なる事故ではなく、ロヒンギャを商品扱いする犯罪ネットワークの関与を示唆している」
実際、乗船者名簿は存在せず、船主不明の状態。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は「1人あたり$2,000~$5,000で密航ブローカーに支払っていたとみられる」と報告している。
「死の航路」化するベンガル湾:データが示す恐怖の傾向
■過去5年間のロヒンギャ難民船事故データ(IRRI調べ)
・2019年:87人死亡
・2020年:153人死亡
・2021年:214人死亡
・2022年:309人死亡
・2023年:427人死亡(今回)
ミャンマー人権監視団体「アラカン・アイ」の調査では、2023年だけで17隻の難民船が行方不明となっており、「ベンガル湾は太平洋の『バミューダトライアングル』に匹敵する謎の海域になりつつある」と警告している。
海底に眠る「もう一つの悲劇」:専門家が予測する最悪シナリオ
海洋地質学者のロバート・チェン教授は衛星画像を分析し、衝撃の予測を発表した。
「沈没地点は海底峡谷の縁にある。船体はおそらく水深3,000m以深に沈んでおり、そこには強力な深海流が存在する。遺体の多くはインド洋深部へ運ばれ、二度と発見されないだろう」
さらに恐ろしいのは、この海域で近年急増している「幽霊船現象」だ。自動識別装置(AIS)を持たない船舶が突然レーダーに現れ、消える事例が2023年だけで43件記録されている。
「次はあなたの国で」:国際社会に突きつけられた警告
UNHCRのステファン・グランド代表は声明で「これは人道危機ではなく、人類に対する犯罪だ」と非難。しかし現実には、近隣諸国は難民受け入れをさらに厳格化する方針を打ち出しており、専門家からは「次の大惨事は時間の問題」との声が上がっている。
最後に、生存者アリフさんの言葉が重く響く。
「海に投げ出された時、遠くに別の船の明かりが見えた。でも誰も助けに来なかった…あの光は幻だったのか、それとも(救助を)拒んだのか」
ベンガル湾の暗い海面は、今夜も新たな犠牲者を飲み込むのか——。
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