最古参力士が引退 初土俵は1992年

大相撲界に衝撃が走った。現役最古参の力士、雷電山勝男（38）が今場所を最後に引退することを発表した。初土俵は1992年。30年以上にわたる長いキャリアに幕を下ろす。

雷電山は「力士人生に悔いはない」とコメントしたが、その表情にはどこか暗い影が漂っていた。関係者によれば、ここ数ヶ月、雷電山の様子がおかしかったという。夜中に土俵を徘徊したり、誰もいないのに「すもうをとるな」と叫んだり……。

「あの土俵には何かがいる」

相撲協会内部では、雷電山の異変について危惧する声が上がっていた。匿名を条件にしたある幹部はこう語る。

「雷電山さんは最近、『古い土俵には死者の魂が宿っている』と口にすることが多かった。特に1990年代の土俵について尋ねると、突然怯えたような表情になった」

さらに驚くべきは、雷電山と同じ部屋の若手力士3名が相次いで原因不明の体調不良で休場していることだ。全員、雷電山から「特別な稽古」を受けていたという。

民俗学の権威、東京大学の佐藤隆教授はこの現象について興味深い見解を示す。

「相撲の土俵は元来、神聖な場所です。特に戦前の土俵には、力士の死傷事故が多発していた記録があります。1992年といえば、ちょうどある有名な力士が稽古中に急死した年。雷電山力士は、何かを見てしまったのかもしれません」

実際、1992年初土俵組の中では雷電山だけが現役を続けていた。同期の力士たちは全員、引退後5年以内に事故や病気で亡くなっているという不気味な事実が判明した。

さらに奇妙なのは、雷電山が最後の稽古を行った日の映像が全て消失していることだ。相撲協会の監視カメラには、雷電山が1人で土俵に向かって何か叫んでいる姿が映っていたが、その直後にシステム障害が発生。データが回復不能な状態になったという。

カメラマンの一人は匿名でこう証言する。

「あの日、レンズ越しに見えたのは明らかに雷電山さん1人ではありませんでした。土俵の上にはもう1つ、形のない『何か』が立っていた。しかしその映像は次の瞬間、ノイズに変わったのです」

雷電山の今後の身を案じる声も多い。先述の佐藤教授は警告する。

「長年土俵に立っていた力士が急に引退すると、ある種の『バランス』が崩れることがあります。過去には引退後に精神に異常を来たしたり、不可解な事故に遭うケースが少なくありませんでした」

雷電山本人は取材に対し、「やっと自由になれる」とだけ答え、それ以上の説明を拒んだ。その目には、恐怖とも解放感ともつかない複雑な感情が浮かんでいたという。

相撲協会は「単なる高齢引退」とコメントしているが、関係者の間には「また1人、土俵の『餌食』が増えた」という囁きが漏れている。果たして、雷電山の引退の裏に潜む真実とは──。