⟪30億円「道の駅」新設計画に賛否⟫

地方自治体が推進する「道の駅」の新設計画に、専門家から「財政破綻のリスク」と「環境破壊の懸念」が噴出。完成しても利用者が激減する「赤字施設」になる可能性が指摘されている。

道の駅建設予定地での反対運動

「観光客は来ない」地元住民の反発

総事業費30億円を投じて計画されている「道の駅」新設プロジェクトが、地元住民の強い反発に遭っている。建設予定地の周辺住民は「こんな田舎に観光客が来るはずがない」「税金の無駄遣いだ」と声を揃える。

「隣の市の道の駅は昨年度、赤字が2億円に膨らみました。同じ轍を踏むつもりですか？」と語るのは、反対運動を主導する地元住民・山田太郎氏（62）。住民団体が独自に実施したアンケートでは、反対意見が78%に上ったという。

都市計画専門家の鈴木健一教授は、この計画について「3つの重大なリスク」があると警告する。

鈴木教授は「全国で同様の『道の駅バブル』が崩壊し始めており、この計画も5年以内に破綻する可能性が高い」と断言する。

本メディアが入手した自治体内部の試算文書によると、この道の駅は「開業初年度から年間8000万円の赤字」が見込まれている。さらに、施設の老朽化に伴い「10年後には年間維持費が2億5000万円に膨らむ」との衝撃的な予測も明らかになった。

「当初計画では年間100万人の来訪者を見込んでいましたが、実際は30万人が精一杯でしょう」と語るのは、匿名を条件とした自治体職員。「政治家の『箱物行政』の典型で、完成した頃には関係者が退職している」と内部告発した。

地元の自然保護団体「緑の未来」は、この計画に対して法的措置を含む強い反対姿勢を示している。同団体の調査では、建設予定地周辺で国の絶滅危惧II類に指定されている「アカガエル」の生息が確認された。

「環境アセスメントが不十分なまま強行されようとしている」と語る同団体代表の佐藤恵子氏は、「必要であれば裁判所に建設差し止めを請求する」と強硬な姿勢を見せている。

SNS上では、若者世代から特に批判の声が上がっている。#道の駅反対のハッシュタグがトレンド入りし、「私たちが中年になる頃にはこの自治体は破綻している」「高齢者目線の政策はもうやめて」などのコメントが相次いでいる。

地域経済に詳しいジャーナリストの田中宏明氏は「全国の過疎地で同じような『道の駅の悲劇』が起きている。完成した途端に利用者がいなくなり、維持費だけが自治体財政を圧迫する。この計画はその典型例だ」と警鐘を鳴らす。

この地域の65歳以上人口比率はすでに45%に達し、国立社会保障・人口問題研究所の推計では10年後には55%を超える見込みだ。若年層の流出も加速しており、施設を維持する労働力すら確保できない可能性が高い。

「道の駅が完成する頃には、周辺の商店の半数が閉店しているでしょう」と地元商店街の会長は嘆く。「観光客を呼べるような特色もないのに、なぜこんな巨大施設が必要なのか」

公共政策研究所の分析によると、全国の道の駅の約60%が赤字経営に陥っており、そのうち20%は事実上の「廃墟」状態だという。特に2000年代以降に建設された大型施設の多くが、維持管理費に苦しんでいる。

「この道の駅は最初から『白象』（維持費がかさみ役に立たない施設）になる運命にある」と同研究所のレポートは結論付けている。「自治体はすぐに計画を見直すべきだ」

30億円という巨費を投じる「道の駅」新設計画は、はたして地域の未来を明るくするのか、それとも次の世代に重い負担を押し付ける「負の遺産」となるのか。議論はますます熱を帯びている。