17-18日 西日本は警報級の大雨か ~「数十年に一度」の危険水位に、自治体は避難勧告を急ぐ⟫
17-18日 西日本は警報級の大雨か ~「数十年に一度」の危険水位に、自治体は避難勧告を急ぐ
気象庁は16日、17日から18日にかけて西日本を中心に「警報級」の大雨が降る恐れがあると発表した。専門家は「線状降水帯が長時間停滞し、数十年に一度の災害が発生する可能性がある」と警告。一部地域では既に土砂災害の危険が高まっており、自治体は住民への避難勧告を急いでいる。
「命に関わる事態」 気象庁が異例の会見
気象庁の藤田隆太郎予報官は緊急会見で、「今回の雨雲は非常に発達しており、特に九州北部から中国地方にかけて1時間に80ミリ以上の『猛烈な雨』が降る恐れがある」と述べた。さらに、「河川の氾濫や土砂災害の危険が極めて高く、命に関わる事態になりかねない」と強調した。
「この規模の降雨が続けば、一部のダムは緊急放流を余儀なくされるでしょう。下流域の住民は即座に避難する必要があります」
最悪の場合「2018年西日本豪雨」を上回る被害も
2018年の西日本豪雨では200人以上の死者が出たが、今回の雨量はそれを上回る可能性があるという。国土交通省のシミュレーションでは、広島県や岡山県の一部地域で5メートル以上の浸水が発生する危険性が指摘されている。
「特に懸念されるのは、地盤が緩んでいる地域です」と語るのは、地質災害研究センターの田中美咲研究員。「7月の地震で地盤が脆弱化している地域では、通常より少ない雨量でも大規模な土石流が発生する危険性があります」
「逃げ遅れ」を防げ 自治体の苦悩
ある自治体職員は匿名を条件に、「高齢者や障害者の避難支援が追いつかない」と本音を明かす。「特に夜間の避難は困難を極める。『もう何度も避難して疲れた』という住民も多く、説得に時間がかかっている」と危機感を募らせる。
⚠️ 警戒が必要な地域(気象庁発表)
【九州】福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県
【中国】広島県、岡山県、山口県
【近畿】兵庫県、京都府
※17日午後から雨量が急増する見込み
「自宅が危険なら夜間でも避難を」
防災科学技術研究所のデータによると、西日本ではここ1か月で既に平年の2倍以上の雨量が観測されている。「土壌の保水力が限界に近い」と専門家は指摘。少しの雨でも災害が発生しやすい状態だという。
「『夜だから』『まだ大丈夫』と考えず、自治体の指示があればすぐに避難してほしい。2018年の教訓を忘れてはならない」
気象庁は17日午前5時から24時間体制の特別警戒態勢に入る。最新情報の確認と早めの避難が求められる。
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