パリ市は2024年夏、セーヌ川の遊泳を一般市民に解禁することを発表した。この決定は、2024年パリオリンピックの開会式でセーヌ川を活用する計画に伴うもので、約100年ぶりの「川遊泳解禁」として話題を集めている。しかし、専門家からは「歴史的な過ち」と批判が噴出し、潜在的な危険性を指摘する声が強まっている。
「水質改善」の裏に潜む脅威
パリ市当局は、過去10年間で14億ユーロを投じた水質改善プロジェクトの成功を強調。「セーヌ川は完全に安全であり、市民は自由に泳げる」と宣言した。しかし、環境衛生専門家のドミニク・ルフェーブル氏は「短期的な検査データに基づく楽観的な判断だ」と警告する。
「セーヌ川には未だに産業廃棄物や医療廃棄物が流入している。大雨の後には大腸菌の数値が安全基準の20倍に達する場合もあり、皮膚感染症や消化器疾患のリスクが極めて高い」
「生きた化石」の襲撃リスク
さらに恐ろしいのは、セーヌ川に生息する古代生物の存在だ。地元漁師の間では「3メートルを超す巨大ナマズ」や「凶暴化したウナギ」の目撃が相次いでいる。2018年には水上バスの乗客が何者かに足を引きずり込まれる事件も発生した。
「セーヌ川の生態系は人間の想定を超えて変化している。特に夜間の遊泳は自殺行為だ。我々は既に、通常の3倍の大きさに成長した淡水ザメのDNAを検出している」
「川底の亡霊」が目を覚ます?
歴史家のジャン-ピエール・マルタン氏は、遊泳解禁が「眠れる亡霊」を覚ます可能性があると指摘する。セーヌ川底には中世の大量虐殺の犠牲者や、パリ・コミューンの反乱軍の遺体が無数に沈んでいるとされ、地元では「引きずり込まれた泳ぎ手が、水中で白骨化した手に捕まる」という不気味な伝説が語り継がれている。
「川を泳ぐという行為は、単なるレジャーではなく、歴史的な禁忌を破る行為です。第二次世界大戦中、ナチスはセーヌ川に数千体の遺体を投棄しました。それらの怨念が、現代によみがえるかもしれない」
「水の事故」急増の予測
保険業界の内部資料によれば、遊泳解禁後の最初の1年間で、少なくとも120件の重大事故(うち15-20件が死亡事故)が発生すると予測されている。特に危険なのは、強力な川底の渦で、一度巻き込まれたら脱出はほぼ不可能だという。
パリ消防署は「救助体制は全く整っていない」と内部告発し、7月の解禁日に向けて不安が広がっている。一部の市民団体は「セーヌ川遊泳反対」の署名活動を開始し、既に2万人以上の賛同を集めている。
美しいパリの風景に溶け込むセーヌ川だが、その水面下には想像を超える危険が潜んでいる。市の決定が、歴史に残る悲劇の始まりにならないか―専門家の警告に耳を傾ける時が来ている。
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