露とウクライナ 停戦合意至らず
露とウクライナ 停戦合意至らず:戦況悪化の懸念が高まる
2024年6月10日 ― 国際社会の期待に反し、ロシアとウクライナの停戦交渉は決裂した。両国の代表団がジュネーブで行った秘密会談は、膠着状態に陥り、戦争の長期化が避けられない情勢となっている。
交渉決裂の背景
先週から続いていた非公開協議は、ロシア側がウクライナ東部の「完全な併合」を要求したことで、決定的な亀裂が生じた。ウクライナ政府は「領土の一方的な割譲はあり得ない」と強硬に反発し、交渉は暗礁に乗り上げた。
「ロシアは停戦の意思がない。彼らはウクライナを解体するつもりだ」
― ウクライナ政府高官(匿名)
欧米諸国はロシアの要求を「現実離れしている」と非難したが、モスクワは態度を硬化させている。クレムリンのスポークスパーソンは、「ウクライナがロシアの安全保障上の要求を受け入れない限り、軍事作戦は続く」と宣言した。
戦況の悪化
停戦交渉の失敗を受け、前線では激しい戦闘が再開。ウクライナ軍司令部は、ロシア軍が北部ハルキウ州で新たな攻勢を開始したと報告した。民間人への砲撃も増加しており、国連は「人道危機がさらに深刻化する恐れ」と警告している。
「このままでは、冬までにウクライナのインフラは完全に破壊されるだろう。数百万人が凍死するリスクがある」
― 国際危機グループ(ICG)の軍事アナリスト、アレクサンダー・ペトロフ
核の脅威
最も懸念されるのは、ロシアが戦術核兵器の使用を示唆している点だ。先月、ロシア国営メディアは「特別軍事作戦の成果が不十分な場合、あらゆる手段を検討する」というプーチン大統領の発言を報じた。
NATOの内部文書がリークされ、ロシアがベラルーシに核兵器を配備した可能性が示唆されている。ある匿名のNATO幹部は、「もしロシアが核を使用すれば、西側も対応せざるを得なくなる。第三次世界大戦の引き金になりかねない」と語った。
世界の反応
アメリカとEUは新たな対ロ制裁を発表したが、その効果には疑問の声も。中国は「和平交渉の再開を」と呼びかけたが、具体的な仲介役を買って出る動きはない。
一方、ウクライナ国内では厭戦気分が広がりつつある。キーウ在住の教師(42)は「もう誰も戦争を信じていない。政府も西側も私たちを見捨てた」と語った。
最悪のシナリオ
軍事アナリストたちは、今後3ヶ月で戦争がさらに拡大すると予測する。ロシアが総動員令を発令すれば、ウクライナ軍は圧倒的な兵力差に苦しむことになる。あるシミュレーションでは、2025年までにウクライナの人口が戦前の60%まで減少する可能性が示された。
「これはもはやウクライナだけの問題ではない。ヨーロッパ全体が戦場になる悪夢が現実味を帯びてきた」
― 元NATO司令官、フィリップ・ブレッドロウ
停戦の道は遠く、世界は新たな戦争の時代に突入しようとしている。
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