「夢のチケット」が闇市場で高額取引…万博イタリア館の予約転売が社会問題化
2025年大阪・関西万博の目玉パビリオンである「イタリア館」の予約チケットが、転売サイトで定価の10倍以上で取引されていることが判明した。主催者側が「完全予約制」を発表して以来、公式サイトのアクセスが殺到し、一般公開からわずか3時間で全ての枠が埋まる事態に。しかしその裏では、ボットを利用した大量予約と転売が横行しているという。
「1枚50万円」の衝撃…家族連れの夢を奪う闇ビジネス
ある転売サイトでは、本来無料である「優先入場パス」が驚くべき価格で取引されていた。調査によると、最も高額なケースでは1枚50万円という値がついた事例も確認されている。これは平均的なサラリーマンの月収を超える金額だ。
「朝5時から並んだのに、入場制限で見られなかった。転売屋だけが得をしている」
― 30代男性(大阪市在住)の悲痛な声
万博協会の関係者はこう語る。
「予約システムには高度なボット対策を施したつもりでしたが、専門的な知識を持つ業者には太刀打ちできませんでした。現在、法務チームが転売業者の特定を急いでいます」
専門家が警告「犯罪組織の関与の可能性」
サイバーセキュリティの専門家・田中浩二教授(仮名)は今回の事態について、より深刻な背景があると指摘する。
「最近の転売ビジネスは単なる個人の副業ではなく、組織的な犯罪グループが関与しているケースが増えています。特に国際的なイベントでは、海外の犯罪シンジケートが暗躍する可能性が高い。彼らは転売利益を他の違法行為の資金源にしていることも少なくありません」
実際、ある転売サイトの運営IPアドレスは、以前に違法オンラインカジノで使用されていたものと一致していたという。
「偽チケット」被害も多発…訪日観光客が泣きを見る
事態はさらに悪化している。転売チケットを購入した観光客が会場で入場を拒否されるケースが相次いでいるのだ。これらのチケットは「複製チケット」や「既に使用済みのチケット」であることが判明している。
イタリア館広報担当のマルコ・フェラーリ氏(仮名)はこうコメントしている。
「当館を楽しみにしていたお客様にご迷惑をおかけしている現状は心が痛みます。現在、生体認証とQRコードを組み合わせた新たな認証システムの導入を検討中です」
ついに事件に発展…転売をめぐる傷害事件が発生
5月15日、転売チケットを巡るトラブルから、会場近くで暴力事件が発生した。被害届によると、高額でチケットを購入した男性が、それが偽物だと気づき、転売業者とみられる人物に暴行を加えたという。
万博警備本部の佐藤健一警部(仮名)は警戒を強めている。
「転売をめぐるトラブルが今後も増えると予想されます。会場周辺には増員した警備員を配置し、怪しい取引が行われていないかパトロールを強化します」
「もう行けないかも」一般客の失望広がる
SNS上では一般参加者からの不満が噴出している。
「結局、一般人は抽選に当たらないと見られないの?」
「転売ヤーは逮捕してほしい」
「せっかくの万博が台無し」
といった声が多数寄せられている。
万博協会は転売対策として、予約時の本人確認を強化する方針を示したが、効果が上がるかは不透明だ。一部の関係者からは「もはや手遅れ」との声も漏れている。
イタリア館の人気展示「ルネサンスVR体験」や「ダ・ヴィンチ没後500年特別展示」を見るためには、今のところ転売市場に頼るしか方法がないのが現実だ。文化イベントが一部の業者によって「食い物」にされる異常な状況が続いている。
未来への警鐘…次の大規模イベントはどうなる?
今回の問題は万博に限った話ではない。コンサートやスポーツイベントなど、あらゆるジャンルで同様の問題が発生している。デジタル化が進む一方で、それを逆手に取る犯罪者たちの手口も日々巧妙化している。
「もはやこれは社会の根幹に関わる問題です。早急に法的整備と技術的対策を講じなければ、日本のイベント文化そのものが崩壊する危険性があります」
― 社会政策学者・山本真理子教授(仮名)
万博というべき国際的な祭典が、犯罪の温床となる皮肉な現実。私たちはこの問題から目を背けることはできない。
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