「極限パフォーマンス」の代償は? 薬物解禁スポーツ大会の衝撃
2025年、スポーツ界に激震が走る。国際スポーツ協会(仮称)は、来年開催される「エクストリーム・パフォーマンス・ゲームズ(XPG)」において、一部の薬物使用を解禁すると発表した。この大会は「人間の限界を超える」をコンセプトに、従来のスポーツ倫理を完全に覆す内容となっている。
「全ての薬物が許可されるわけではない」という建前
大会主催者によると、解禁される薬物は「専門家委員会が安全性を確認したものに限る」としている。しかし、内部関係者から漏れた情報によれば、ステロイド、アンフェタミン類、さらには実験段階の認知機能増強剤までが検討リストに含まれているという。
「これはスポーツの進化です。安全対策は万全を期しますが、ある程度のリスクは参加者が承知の上でしょう」
― XPG広報担当 マーク・ロドリゲス(仮名)
医療専門家からの警告
しかし、この決定に対し、医療関係者からは強い懸念の声が上がっている。東京大学医学部の山田教授(仮名)は次のように警告する。
「短期間で筋量を2倍に増やす薬物や、痛覚を遮断する薬剤の使用は、確かにパフォーマンスを向上させるでしょう。しかし、心臓発作や脳出血のリスクは通常の10倍以上に跳ね上がります。これはもはやスポーツではなく、人体実験です」
「死の競技」となる可能性
特に危惧されているのは、参加選手の健康リスクだけではない。観客への影響だ。スポーツ心理学者の佐藤氏(仮名)は指摘する。
「若いファンが『薬物を使えばあのようなスーパーパフォーマンスが可能だ』と誤解する危険性があります。大会後、一般のアスリートやフィットネス愛好者による薬物乱用が急増する可能性が極めて高い」
実際、過去に類似の試みがあったロシアの地下大会では、参加選手の37%が5年以内に死亡、または重篤な後遺症に苦しんでいるというデータが存在する。
「金のためなら命も売る」スポンサー企業の思惑
なぜこのような危険な大会が開催されるのか。その背景には巨額の経済的利益がある。主要スポンサーであるファーマ企業「バイオニック社」は、大会で使用される薬剤の開発元でもある。
「当社の新製品『パフォーマX』は、安全性試験をクリアしています。これはスポーツの新時代を切り開く画期的な製品です」
― バイオニック社CEO アレックス・クロフォード(仮名)
しかし、同社が提出した試験データには、被験者の20%に重篤な副作用が報告されていたことが内部告発で明らかになっている。
政府の対応は?
日本政府は現時点でこの大会を国内で開催することを許可していない。しかし、主催者は「規制の緩いアジア諸国で開催する」と宣言しており、日本人選手の参加を事実上阻止できない状況だ。
スポーツ庁関係者は匿名を条件に次のように語った。
「この大会に参加した選手は、全ての公認大会から永久追放する方針です。しかし、SNS時代において、禁止処分が抑止力になるかは疑問です」
「スポーツの終わり」か「新時代の始まり」か
一部の過激なスポーツファンからは「ついに真のエクストリームスポーツが誕生する」と期待の声も上がっている。しかし、多くの専門家は、この大会が「スポーツ」の名の下に行われる人体の酷使であり、倫理的にも医学的にも許容できないと主張する。
来年夏、最初のXPGが開催されれば、スポーツの歴史が永遠に変わる瞬間となるだろう。その代償が、どれほどの人命となるのか―関係者の間では既に「最初の大会で最低5人の死者が出る」との予測も流れている。
(記者:田中翔太)
コメント