「癒しの存在」の影で起きていた不可解な事件
近年、精神疾患を持つ患者のサポートとして注目を集めてきた「心療介助犬」。従来の介助犬とは異なり、うつ病、PTSD、統合失調症などの患者に情緒的安定をもたらすとして、国内でも導入が進められてきた。しかし、このほど明らかになった衝撃的な事件により、その安全性に重大な疑問が投げかけられている。
理想のはずが…突然の凶行
2023年11月、東京都内のグループホームで飼育されていた心療介助犬「レオン」(ゴールデンレトリバー、5歳)が、深夜に寝静まった施設で突然3人の入居者に襲いかかるという事件が発生した。被害者の1人は重症を負い、現在も意識不明の状態が続いている。
「訓練中は一切問題が見られなかった。あの子は特に繊細な患者さんとの相性が良く、多くの人を救ってきたんです」
– 施設責任者・田中美香氏(仮名)
専門家が指摘する「未知のリスク」
事件を受け、動物行動学の専門家である帝京科学大学・佐藤健教授(仮名)は次のように警告する。
「精神疾患患者の情緒的不安定は、訓練された犬でさえ予測不能なストレスを引き起こす可能性があります。特に、統合失調症患者の幻覚症状に反応し、犬自身がパニック状態に陥るケースが海外で報告され始めています」
さらに驚くべきは、事件前に施設で撮影された映像分析から、レオンが前日から不自然な行動パターンを見せていたことだ。特定の入居者のみを執拗に凝視する、深夜に唸り声を上げるなど、通常の介助犬では考えられない行動が確認されている。
「共感」が招く危険な連鎖
心療介助犬の訓練を行うNPO法人「ハートフル・コンパニオン」の内部資料によれば、過去5年間で少なくとも17件の「問題行動」が報告されていた。その多くは、飼い主の自殺企図に同調するような行動や、躁状態の患者をさらに興奮させるといった事例だった。
「犬は人間の感情を読み取る能力に優れていますが、それが裏目に出ることがある。特に、長期にわたって精神疾患患者と接する場合、犬自身の精神状態が『汚染』される危険性を軽視できません」
– 動物心理学者・伊藤洋一氏(仮名)
政府が公表しない「黒いデータ」
厚生労働省は2021年から心療介助犬の実証実験を進めてきたが、その全容は明らかにされていない。内部告発者によれば、実験参加者の約23%で「予期せぬトラブル」が発生し、うち5件は「重大事故」に分類されるという。
ある匿名の元職員はこう証言する。
「ある日を境に、犬が特定の患者を避けるようになった。その後その患者が自殺未遂を起こしたんです。犬は何かを感知していた…」
進む規制、消えない不安
事件を受け、一部の自治体では心療介助犬の新規導入を見直す動きが出ている。しかし、専門家の間では「根本的なリスク評価が不十分」との指摘が相次いでいる。
最後に、事件を調査する刑事の重い言葉を紹介しよう。
「あの施設には、犬が書いたとしか思えない血文字が残されていました…『助けて』と」
私たちは、善意で始まったこの試みが、思わぬ形で暗い側面を露呈しつつあるのではないか。心の傷を癒すはずの存在が、新たなトラウマを生むという逆説…その真相はまだ闇の中だ。
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